呼び出しを食らったあの日、あの時から私は問答無用で風紀委員の一員となった。
何で私なんですか?って聞きたかったし、出来るならやりたくないんだけどそれも委員長である雲雀さんの独断と権限で不可能。
というか私に与えられた言葉は「はいわかりました」とそれしか無かったようにも思える。
だって「君、今日から風紀委員だから」って言ったそれは決定済みの言葉だったし。



「何してんの。もういいよ帰って」



だったし、やっぱり怖い。

拒否権なんてなかったくせに、入ったら入ったでずっとこんな扱い。
お茶いれろだのこれ職員室持ってってだの、そんな雑用をさせるだけさせて帰らされる。
だけどそれにすら文句を言うことは許されないって思ってる。
首を横に振ろうもんなら彼愛用の武器で身体中ボッコボコにされてしまうだろう。
あくまでイメージに過ぎないが、彼ならばやりかねないのだ。
入学してからまだ3ヶ月程しか経っていないけど、耳に入ってくる噂は聞いてるだけで恐ろしい。
反抗しようものならきっと私も「咬み殺される」に違いない。
今のところ睨まれた以外に何かされたってことは無いけど、それもきっと時間の問題。
殴られていらないって言われて辞められるならそれでもいいかと思うけど、やっぱり痛いのは嫌だ。



「大変だね」

「まぁがんばれよ」



通り掛かったクラスメイトや先輩たちから掛けられる言葉。
他人事だからって、そんな言葉を掛けられる度に泣きたくなる。
何で私なんだろう、って。

地味に過ごしてきた3ヶ月から一変、あの時あの一瞬の出来事で私の存在は校内中に知れ渡ってしまった。
平凡でよかったのに。
否、平凡がよかった、のだ。



「むむむ。明日も頼んだぞ」



副委員長の草壁さんが下駄箱で靴を履き変えている私に声をかけてくれた。
見た目は怖いが、中身はしっかり者の優しい先輩。
私が風紀委員に入って得て良かった物事といえば、この情報だけなのかもしれない。



風紀委員会
 活動報告書



(頑張りますとは言えません)


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