休み時間、なんとなく窓から外の景色を眺めてみる。
どこかのクラスは次が体育なのか、ジャージ姿の男子が気だるそうにウォーミングアップをしている。
サッカーやるのかな。
そんなどうでもいいこと考えながらただ、頬杖をついてボーッとする。
窓際の席じゃないと出来ないから、なんかほんのちょっとだけ優越感に浸ってみたり。
私の2つ後ろの席が松岡くんで、その隣に浅羽くんがいる。
また前後の席とか隣同士になりたいけど、私ってそんなにくじ運良くないし、変わってって言えるような友達もいないしそもそもそんな勇気もないし、
「むむむさん」
「……っ………はい……?」
肩に誰かの手が乗り、突然のことにびっくりして肩が跳ねる。
ゆっくり振り返ると浅羽くんがいて、彼も驚いたのか左手が私の肩の近くで固まっていた。
リアルタイムに考えていた人物、浅羽くんの姿に心臓がバクバクと速まる。
「……ごめんまさかそんなに驚くとは思わなかった」
「え?…あ、いや私こそ、ごめんね、」
焦っちゃって何が言いたいのかもわかんなくて謝ってしまう。
これじゃあ何だか悪いことをした気分になってくる。
隣のクラスの子に貸してた国語辞典を渡してくれて、ありがとうと本日2度目のごめんねが零れた。
触られただけで跳ねる体
(ごめんね、はもう私の口癖)
―――――
むーは後ろからいきなり話し掛けられたり肩叩かれたりすると、10回に9回はビクッてなる。
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