最初に言っておくがこれはあくまでも例えばの話。もしもの世界。

むーが来てからかなり長い間が経ったような気がする。それは私がルフィやウソップやゾロに出会った時期とそう変わらない。見知らぬ少女がメリー号のベッドで寝ていたあの瞬間には驚いた。何者かと思ったし敵だと思ってたし、だけどそれを受け入れたのは紛れもなく私たちの船長、ルフィ。一度は島に追い出したけど、ルフィはあいつを連れていくと言って聞かなかったから仕方なく連れに戻った。置いていく事を頑なに拒んだ理由はよく分からないが、ルフィだから仕方ない、それで片付けられる。異世界から来ただなんて信じられるわけないし何を企んでんだかって思うと溜め息しか出なかった。ただの足手まといになるだろうとしか思ってなかったし、実際そうだったと思う。だけど今じゃ立派に私たちの仲間。あの手の温かと力強さは、今でも忘れない。私はあの時、彼女に救われた。

とまぁこんな話はどうでもいい。
立派に仲間になった彼女、むーは今サンジくんの作ったポテトパイを美味しそうに頬張っている。むーはポテトパイが好きらしく、サンジくんもよく作るようになった。正直私はアップルパイの方が好きだったりするけど、美味しいから結局お腹一杯食べちゃって何でもよくなる。むーの隣でその姿を眺めるサンジくんは何だか幸せそうだ。ジッと見つめているとサンジ君と目が合って、ナミすぁんおかわり如何ですか?なんて言ってくれるけどお腹一杯だったから遠慮した。そういえばサンジくん、むーには私やロビンにするみたいにハートも飛ばさない。その視線はまるで妹に向けるかのような、そんな優しい視線のようにも見える。


( 見える、けど )


実際それがどうなのかは分からない。それは本当に妹のような感覚なのかもしれないし、もしかした――そうじゃない可能性だってある。そうじゃないには色々あると思うけど、とにかく、そうじゃないかもしれない。
もしかしたら彼は、サンジくんは――――



もしかしたら、の言い訳

(あくまでも"if"の世界)










―――――
そうですあくまでもifの世界。ちなみに視点はナミでした


人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -