今日のお空は晴天模様。
絶好の体育祭日和だ。
「やっぱり暑いよねー」
「体育祭日和だね」
昨日と同じように髪を後ろでお団子にした岬ちゃんは、私の髪も同じように結んでくれている。
お揃いだね、って言った言葉がとても嬉しくて笑顔になる。
ハチマキも綺麗に巻いてもらって自然と気合いも入る。
みんな朝からジャージに着替えて気合いも十分な様子で朝のホームルームが始まった。
先生も朝からジャージ姿で、正直生徒よりも気合いが入っているように見える。
「気合い入れるのもいいが怪我はしないようにな!」
先生のそんな言葉でホームルームが終わる。
皆が席を立ち、団扇やタオルを持って校庭に向かい始める。
「むー、団扇忘れてる!」
「あ、ほんとだごめん」
「もう全く…やる気はあるのにどっか抜けてんだから」
呆れて笑った岬ちゃんは私の団扇を持ってきてくれて、私の顔をぶわっと扇ぐ。
相変わらず「面倒臭い」って言ってるけど、始まっちゃえば多分結構楽しんじゃうんじゃないかな。
廊下には青色だけでなく赤色、黄色のハチマキを巻いた子たちも沢山いて賑やかだった。
「むむむさん、前髪ぐちゃぐちゃだよ」
「…岬ちゃんのせいだよ」
「ごめんごめん」
すっと現れた悠太くんが私を見て言った言葉に、あははって笑った岬ちゃんが前髪を直してくれた。
塚原くんも気だるそうに団扇で扇ぎながら歩いている。
すると前から賑やかな数人が、流れを逆走しながらやってくる。
大体予想はついたけど、やっぱり期待を裏切らないその3人。
「ゆーたん!要っち!今日は敗けないからなー!」
「せいぜい頑張れよ」
「んなっ……だがしかーし!その余裕もいつまで続くかな!」
「千鶴のその自信の源が知りたいんですけど」
「春ちゃん言ってやって!」
「赤組が優勝したら村田先生がジュースを奢ってくれるからです!」
「安いな君たち」
岬ちゃんの突っ込みに塚原くんは笑って「確かに」と言った。
元気な橘くんは拳をグッと握り締め、突き上げている。
「まぁ、頑張りましょう」
ポンッと私の肩を叩いたのは悠太くんで、私はそれに小さく頷く。
体育祭はもう始まる。
少しだけ緊張しながら外靴に履き替え、真っ青な空に浮かぶ太陽から降り注ぐ陽射しを浴び、そこから一歩、足を踏み出した。
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