いよいよ到着、清水寺。
周りの女の子たちもやっぱり地主神社のことで凄く盛り上がっている。
悠太くんと付き合えるかな、とか聞こえてきた時にはやっぱり人気なんだなぁって思った。
「やっぱ女子は地主神社か。私たち後にする?」
「そだね、その方がいいかも」
チラッと覗いた地主神社の階段はうちの学校や他の学校の生徒で溢れ返っている。
しかもほとんど女の子。
だから先に見れる場所を見ることにした。
岬ちゃんも清水寺にはテンションが上がったらしく、写真写真ってずっとカメラを構えてた。
私もちゃんと写真を撮った。
上から眺める景色はとても綺麗で、鮮やかな緑がどこまでも広がっているように見える。
クラスの子に岬ちゃんとのツーショットを撮ってもらったり、思い出もしっかり保存。
「さて、そろそろ行くか!」
「うん」
そしていよいよ地主神社。
恋愛とかそういうのに興味をそそられる自分に、やっぱり私も年頃の女の子なんだなぁって。
そんな事を思った。
地主神社には、まだ人は多いけどさっきよりは幾らか人は減っていた。
短い石段を登り、何だか緊張してしまう。
「えんむすびの神だって」
「女の子が喜びそうだよね」
「むーも恋する女の子でしょ?」
改めて、そう言われると恥ずかしくなる。
恋する女の子、だけど。
相手は私なんかが手の届かない人で…と、そう思うとなんだかちょっとだけ胸がキュッとなった。
その後に引いた微妙な結果の恋愛おみくじを結び付けて、見慣れた石に近付いた。
「意外と遠いんだね」
「ほんと、もっと近いのかと思ってた」
2つの石の距離は、思っていたよりずっと長い。
クラスの子たちも目を閉じて、石から石へと足を進めている。
せっかくだから、とまずは岬ちゃんがチャレンジ。
「……あ、全然駄目だ」
「やっぱ難しいんだ…」
「ま、恋の願いなんて無いからいいんだけどね」
じゃあ次はむーの番、と。
私も石の前に立ってゆっくり目を閉じた。
ゆっくり、歩くけどやっぱり緊張する。
まだかな、とか私大丈夫なの?とか不安でいっぱい。
歩いた距離の感覚も解らない。
コツン、と足に何かが当たる感覚に目を開く。
「…あ、」
「おめでとうございます」
「え?あ…ありがとうございます、」
「よーっしじゃあ俺もチャレンジ!」
目の前に居たのは、岬ちゃんではなく何故だか祐希くんで。
いやなんか、ちょっと恥ずかしい。
祐希くんの隣では岬ちゃんが「凄いじゃん!」って言いながら笑ってて、次は橘くんが石の前で目を瞑った。
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