新幹線の長旅も終わり、降り立ったは待ちに待った京都駅。
駅から出てすぐに見えた京都タワーに気持ちはどんどん高ぶり、わくわくする気持ちも増していく。

まず、目指すは金閣寺。
私たちを待っていた京都のバスに乗り込み、そして走り出す。
窓から見える景色は見慣れないものばかりで全てが私たちの興味をそそる。
バスガイドさんの説明も聞きつつ、私の視線は窓の外に釘付けだった。



「金閣寺とかさ、教科書でしか見たことないような気がする」

「わくわくするね!」



バスから降り、ガイドさんの説明を聞きながら後ろの方を付いていく。
輝くそれは、中に入ってすぐに私たちの前に現れた。
近付くほどにキラキラして見える、それは教科書やテレビで見たことのある金閣寺。



「ほんとに金なんだ!」

「綺麗だね、なんかご利益ありそう」

「よし、これは待ち受けにしよう」

「あ、私もそうしようかな」



岬ちゃんと笑いながらそんな話。
携帯で一枚と、それからデジカメでもう一枚。
なんかいいことありそうだねって言いながら私たちはそれを早速待ち受けに設定した。



「…こっち先に来ればよかったのに」

「…金閣寺の後じゃ、なんか、ちょっと寂しいね」



次に向かったのは銀閣寺。
金閣寺がキラキラしてた分、なんだか少しどんよりして見える。



「裏切られた感がすごいんだけど」

「裏切られたって…」

「ちょっと期待しすぎたなー」

「金閣寺がすごかったもんね。でもほら、次、清水寺だし!」

「名前は有名だけどどんなとこなんだろうね。期待していいのかな…」



あからさまにテンションが下がっている岬ちゃんにそんな話を振りながら、いざ清水寺。
バスの中で、もう疲れたと一言。
確かに沢山歩いたけど、私が一番楽しみにしていたのは清水寺だったりする。
清水の舞台、とか言うくらいだし。



「清水寺ってあれだよね、なんだっけ、あのー……そうだ、恋占いの石!」

「あ、そういやそうだね」

「私も楽しみになってきたわ」

「…そ、そんな見ないでよ…」



ニヤニヤしながら肘で私をぐいぐい押してくる岬ちゃんは凄く楽しそうにしている。


「#ファンタジー」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -