お昼休み、岬ちゃんとご飯を食べてるところに高橋さんがやってきた。
高橋さんを見ると少し動揺してしまうのは、きっと悠太くんの影が頭をちらつくから。



「あの、もうすぐバレンタインでしょ?だからクラスの女の子からっていう名目でみんなにチョコレート渡そうと思ってて、200円ずつ回収してるんだけどいいかな?」



そっかもうすぐバレンタインか。
高橋さんに200円を渡して、私たちの話もそっちに繋がる。



「あげんの?浅羽」

「わかんないけど…あげない、かな」

「えーなんでよ」

「いっぱいもらうでしょ?」

「そうだろうけどさ…」



そんなの関係ないでしょって、不服そうに言いながら机の上のお菓子を食べていく。
だけど岬ちゃんはそれを強制はしない。

去年はあげようと思ったんだけど、その時は私が一方的に知ってるだけだったから結局自分で食べたんだっけ。
今年は、去年よりは仲良くなったけどでもなんか渡せないような気がする。



「岬ちゃんは?」

「私?あげる人いないから」



興味がないとでも言いたげに最後の一つを口に放り込む。



「塚原達には?」

「んー…どうしようかなぁ」

「塚原たちにあげるんなら浅羽にも渡しやすくなるんじゃない?」

「…そっか」

「うん、そうしなよ」



今度は嬉しそうに笑って、聞こえてきたチャイムの音に慌てて自分の席に戻っていった。


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