外は真っ白。
校庭にもかなり雪が積もってるみたいで、真っ白で足跡もないそれをみてちょっと遊びたいなって思ったりもした。
窓を開けて外を眺めてみる。
息は真っ白だし寒いけど、それでも雪ってテンション上がるんだから不思議。



「寒くないですか」

「あ…寒い、ですよ?」



…ですか、って。
言いながらそっと私の横に来て同じように雪を眺めるのは、悠太くんだった。
視線は雪だけど、気持ちは完全に悠太くんを意識してばっかり。
わあ…ドキドキ、してる。

何話せばいいのかわかんなくて、緊張してばっかりの気持ちは落ち着かない。
やっと出たのは「寒いね」なんて、そんな当然の言葉だけ。



「そういえば、あけましておめでとう」

「…おめでとう、ってちょっと時期はずれだね」

「オレにもよろしく言ってたって祐希が言ってたから」

「あ…うん、祐希くんがメールくれて」

「……祐希が?」

「…?……うん」



意外そうな様子で私を見て、そうなんだ…って小さく呟いた。
…この流れで悠太くんのアドレス聞いちゃうのはだめなのかなぁ…って、隅に生まれた思考は極度の緊張により即却下。

雪は止むことを知らないように、しんしんと降り注いでいる。
悠太くんも相変わらず窓の外を、何を考えながらかは分からないけど眺めてる。



「鼻、赤くなってる」

「…悠太くんもだよ?」

「寒いですから」



一言一言が、緊張と嬉しさでいっぱいになる。



「直接送ってくれても良かったんだけど……話戻りますけど」

「え?…ちょ、くせつ……って…」

「オレのアドレスはいりませんって事かもしれないけど」

「そんっ、なわけないです…!」



…ハッ、とした時にはもう遅い。
めちゃめちゃ声おっきくなっちゃったし勢いあり過ぎだし…やっちゃったって気付いて顔を下向ければ、余計に恥ずかしくなってくる。
どれだけ悠太くんのアドレス知りたいんだ!って…溜め息。
ああもう、きっと今は鼻だけじゃなくて顔も真っ赤。(穴があったら入りたいってこのことなのかも知れません…)



「赤外線通信、受信してもらっていいですか」

「あっ…はい、っ」



慌てて携帯をポケットから出そうとして落としちゃって、悠太くんが拾ってくれて何かもう恥ずかしい。
ごめんね、ばっかり言ってる気がする。
ようやく落ち着いて、向かい合って赤外線通信。



「そういえばむむむさんはみかんの白いところは取って食べる人?」

「…昔は取ってた、かも」



よくわからない質問だったけど、悠太くんは納得したように頷いて窓を閉めた。
風邪引くからって鍵も閉めて、向こうで大きく悠太くんを呼ぶ橘くんと祐希くんのところに歩いていった。


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