文化祭の1日目は他のクラスの出し物を回って楽しいまま終わり、早い事に今日はもう2日目。
朝からクラスの出し物である喫茶店用のジュースやケーキを一通り準備する。
だけど私の当番は昼からだから、それまではまた岬ちゃんと他のクラスを回る事にした。
昨日もいっぱい回ったけど、まだ行けてない所とか、今日だけの所もあるからそれも楽しみ。



「今日も賑やかだね」

「ほんと、すごい人だわ」



昨日もお客さんはいっぱいいたけど、今日は昨日よりも人が増えてる気がする。
一般のお客さんも沢山いて、自分のクラスの喫茶店の事が頭に浮かぶ。
男女で逆の衣装を着るっていう変わった感じの喫茶店で、他のクラスの子や先輩達からも“面白そうだね”ってずっと言ってもらってた。
何しろ女の子より綺麗になるであろう悠太くんと可愛い松岡くんもいるんだから、お客さんの興味を引くには十分だと思う。



「お昼から頑張るんだから、お昼までは遊ばないとね」

「ね!どこ行く?」

「面白そうなとこないかなー」



壁に貼ってあるポスターを眺めながら、楽しそうなお店や出し物を探した。
美術部や華道部の出し物を見たりしながら時間を潰していく。



「お化け屋敷だって。行く?」

「お化け屋敷かぁ…怖くないかな」

「大丈夫でしょ、学園祭レベルのお化け屋敷なんだし」



2年4組の出し物はお化け屋敷。
すぐ隣のクラスなんだけど、何やるかなんて全然知らなかった。
岬ちゃんの言う通り、学園祭レベルのお化け屋敷なんだから大丈夫だと思うんだけど…。
ちょっと躊躇ってると岬ちゃんは大丈夫大丈夫って笑って私の腕を引っ張った。



「むむむさん!」

「あ…松岡くん」

「今から入るんですか?」

「…あー……うん…」

「むー怖がっちゃってんだけど、多分大丈夫でしょ?」



ね、と再び私の腕を引く。
岬ちゃんが引いた方の腕とはまた反対側に感じる力に視線を向けると、私の腕を引いているのは悠太くんだった。



「何?もしかしてむーと入りたいの?」

「違います」

「そんなキッパリ否定しちゃうんだ」

「…いやそういうつもりじゃなくて」



ほんとに違いますよ、と呟いて引っ張られていた手を少し緩め、離した。
いや別にそこまで気にしてなかったんだけどなぁと思いながら彼に視線を向けると、じっと私を見てたかと思えば今度は岬ちゃんに視線を向ける。



「一緒に行けばいいかと」

「一緒に?何でわざわざ」

「あ、それいいですねぇお化け屋敷は人数が多い方が恐怖も和らぎますし!」

「学園祭レベルだって言うけど、このクラスには祐希がいるんだからそれもどうかと」



うちの祐希はそんなに甘くないよ、と、多分悠太くんが言いたかったのはそんな事。
松岡くんはノリノリみたいだし、悠太くんの言う事には私も岬ちゃんもなんか納得しちゃって、顔を見合わせて苦笑い。
中に入る直前に茉咲ちゃんも合流して、えらく大人数になっちゃったけど5人で入る事になった。


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