私だって普通の人間だから、怠いって思う事もめんどくさいって思うこともある。
いつもなんとなく受けてる授業だけど、何だか今日はそんな気にもならなくて屋上に避難。(避難、と言う名のサボりだけど)

屋上は天気が良くて風通しも良くて、立ってるだけでもすごく気持ちがいい。



「なーにサボってんの」



ぺしっと頭を叩かれて、へへっと笑うと、岬ちゃんも同じように笑ってくれる。

今日は朝から席替えがあった。
また浅羽くんの近くになれないかなぁと思いながら引いたクジは、見事に中途半端に離れた位置になって。
期待はしてなかったけど。
…ほんのちょっと、してたけど。
唯一の接点が無くなっちゃったなーと思うと、自然と小さなため息が漏れる。
ちょっとくらい仲良くなれないかな、なんて淡い期待も見事に打ち砕かれた3ヶ月。
3ヶ月間、プリント回してもらって、背中を眺めて…それだけだった。



「もう夏だね」

「夏だねー」

「もうすぐ七夕だ」

「もうそんな時期か」



平凡極まりなく終わった高校2年生の春。
今から迎える夏も、そうなるであろう事が容易く想像できた。



「今年は何お願いしよっかなー」



フェンスに顎を乗せて、ああでもないこうでもないと悩む岬ちゃんを見ていると自然と笑顔になる。
私も考える。
その時ぱっと浮かんだひとつのお願い事は、余りにも現実的じゃない気がして、やめた。


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