ここは冬島でもないはずなのに、今日は朝から寒くて仕方がない。しかも怠くて関節がキシキシする。


「風邪だな」

「ほんとか!?ナミみたいな病気じゃあ…」

「ルフィは心配しすぎだ。そこまで熱も高くないし、すぐ良くなるから心配しなくていいぞ」


チョッパーは薬を出してくれて、安静にしてればよくなるからって言ってくれた。チョッパーの出してくれる薬は苦いけど、よく効くからそれも我慢。
ルフィはずっと力が入っていたのか、安心したようにダラッと私の布団の上に倒れかかってきた。


「こらルフィどけ」

「ぐおっ」


ご飯を持ってきてくれたサンジの足に押し退けられて、地面に落ちるルフィ。代わりに椅子にどかっと座ったサンジが「大丈夫か?」って声をかけてくれる。


「栄養たっぷりのお粥だ」

「ん…ありがとう」

「いっぱい食って寝て、早く良くなれよ」


食べさせてくれようとしたみたいだけど、さすがにそれは恥ずかし過ぎるから遠慮した。(そんなことされたら余計に熱上がっちゃいそうだし…)
それからナミとロビンも様子を身に来てくれた。


「寝る前に汗だけでも拭いておきましょう」

「あと着替えもね」


サンジとルフィとチョッパーを部屋から追い出して、私は着ていた服を脱いで洋服を着替える。濡れたタオルで身体の汗も拭いてくれて、“至れり尽くせり”状態。


「むー大じょーぶか……あ…」


パタン、と閉じられるドア。…見られちゃったよね、と思うんだけど今は思考もうまく回らなくて、元々熱もあったから恥ずかしいのかどうかも正直曖昧。あとで殴っとくから、っていうナミの言葉に笑いながら布団に潜り込んだ。
そうやって寝ていると身体は随分楽になる。チョッパーの薬が効いているのかもしれない。
夜中に目が覚めたのは、喉の渇きを覚えたから。今日はナミもロビンも気遣ってくれて他の部屋で寝ていてくれるらしい。なんか申し訳ない。水を持ちにいこうとベッドから脚を下ろすと、ドアが開いてゾロが立ってた。


「…気分悪ィのか?」

「や…喉渇いちゃって…」

「持ってくるから、寝てろ」


そう言って、わざわざゾロが水を持ってきてくれた。外に居るから何かあったら俺に言えって、彼はやっぱりお兄ちゃんみたいだ。
喉も潤って布団に潜り込む。きっともう明日にはすっかり治ってるんだろうなって思いながら、幸せな気持ちのまま瞼を閉じた。


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