部屋から外に出ると、何だか久々に見る太陽がチカチカと眩しく感じる。皆が心配そうに私を見ているけど、大丈夫だよって言うと笑ってくれた。
視線をズラすと目の前には、まるでディズニーランドにあるお城のような建物。…が、どうやらただの板らしく唖然としている私にウソップの笑い声が聞こえてきた。皆はもう知っていたらしい。
「一体どんな夢を語って町を追われたの?」
「くわしくはわからないけど……このジャヤという島には莫大な黄金が眠っていると言ってるらしいわ」
「黄金!!?」
黄金という言葉に反応を示すみんな。やっぱりナミはナミらしく、チョッパーにそれを探させ始める。そんな光景にほんのちょっと笑ってしまうと、ルフィが私の肩を組み、勢い良く歩きだした。
「よーし行くぞむー!」
「え、っ…!?」
「ルフィ!!?だからなんでお前はいつもむーを道連れにすんだよ!!」
「こんにちはー!!おじゃまします!!」
ルフィはガッチリと私の肩を掴んで離してくれない。そのまま無理矢理前に進むから私も進むしかなくて、あっという間に勝手に家の中。いいのかなぁっていう私の不安は何処吹く風、彼の意志のままに私の身体は動いている。
「こんにちはー!!!」
「ばか待てってヤベェ奴だったらどうすんだ!!!」
「おいみんなー留守だ!!」
後ろから止めに来てくれたウソップの事も気にしていないらしく、相変わらず気ままに動き回る。ウソップは私からルフィを引き剥がそうとしてくれるけど、細いのにしっかりと筋肉が付いたその腕はなかなか私から離れない。やっとウソップが引き剥がしてくれたら、ルフィはつまらなそうに唇を尖らせてチェッと呟いた。
「オメェも嫌なら嫌がれよなー?まぁルフィに言ったところであいつは聞かないだろうけど…」
3人で外に出るとナミとサンジが何かを話していて、チョッパーは黄金を探しているのか未だに地面を掘り続けている。
嫌なら嫌がれよ、とウソップは言うけれど、実際に嫌だと思ったことはきっと、ない。怖いとか不安だと思う事はあるけど、皆が守ってくれると分かっているからいつだって皆に身を委ねてた。
「うそつきノーランド…」
ナミが、置いてあった絵本を読み上げる。私は勿論知らないけど、ナミもウソップも知らないらしい。知っているのはサンジだけで、懐かしいと言いながらナミの声に耳を傾けていた。
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