突然、僅かに視界が薄暗くなる。ナミたちが焦りだし下を見ると、真っ黒な何かが浮かび上がってきているのがわかる。出てきたのは大きな…まるで大陸かのようなサイズの亀。メリー号なんて亀の目玉くらいの大きさしかない。



「船ごと食べられちゃったの?」



ロビンの言う通りどうやらあの亀に食べられてしまったらしい。チョッパーはアワアワ、ジタバタと焦りを見せている。きっとこれが当然の反応。だけど何でか大丈夫な気がしてしまうのは何故だろうか。私もおかしくなったちゃったのかなぁとも思ったけれど、「ごめんっ!!!」と軽く謝るナミを見たらそうでもないような気がした。彼らが本当に危険ならば、ナミはきっとこんな風に謝ったりはしないだろう。



「へ??」

「何!!?」



みんなが慌てていると突然真っ青だった空が真っ暗になり、皆の動きが一瞬で止まる。まるで夜になったかのような、なんかおかしな感じ。



「……ア…アア…不吉な…………!!!突然来る夜は怪物が現れる前兆!!」



相手の船員たちが慌て始めている。どうしたんだろうってそれを眺めていると船の上に“ぼてっ”と、どうやら意識が無いらしいルフィが落ちてきた。ルフィだけじゃなくてゾロもサンジさんも落ちてきたが、2人はしっかり意識があるようだった。よかったと安心して少し視線をまわりに向けると、私の目は遠くの薄気味悪い空気を捕える。しっかり見ようと目を少し細める。



「何してんだ?」

「なんか……あっち、」

「あっち?………ってなんだ、あれ………………!!!!」



みんなが私の指差すほうを見る。視力の悪い私とは違い、みんなには“それ”がハッキリと見えているらしい。ルフィも向こうのボスもあの亀でさえも顔面を蒼白にしている。



「怪物だあああ!!!!!!」



私にもハッキリ見えた。巨大な亀より、あの巨人たちより、遥かに大きな大きな影が3つ目の前に現われたのだ。
そからはもう皆必死だった。とにかくその場から離れようと、猛スピードで離れる。
それから落ち着いた頃には、みんなは床に座り込んでいた。私も同じように座り込む。可笑しな事だらけだった。これもまた新しい冒険の始まりなのだろうかと、そんな予感が頭に浮かんだ。


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