身体が重い、そして怠い。頭が揺れて、まるで自分が、自分の物じゃないみたい。



「やっと目が覚めたか」



開いた目に真っ先に映ったものは真っ黒な囲いで、その向こうにいる人は初めて見る人だった。状況がイマイチ掴めず、襲い掛かってくる身体の違和感にぼんやりしていると、そんな声が聞こえてきた。
だけどもう、何かを考える事さえ怠い。楽になっていたはずなのに、今では今までで一番身体の調子が悪いとさえ感じる。頭も働かないし、思考どころか視界までぼんやりしている。
堅い椅子の上に横たわったまま目蓋がどんどん落ちてくる。何だか不思議な夢を見ているような気分で、また目の前が薄暗くなってくる。意識が遠退いていく中、バタバタバタバタ…という物音がどんどん大きくなって頭に響き、同時に閉じていた目蓋がゆっくりと開いた。



「こうみょうなわなだ」

「ああしょうがなかった」

「敵の思うツボじゃない!!避けられた罠よ!!バッッカじゃないの!!?あんた達!!!」



聞き慣れた声はルフィとウソップとナミのもので、目に入った見慣れた姿に心底安心している自分がいた。



「…お前何してんだこんなところで」



ゾロさんの声に皆が振り向くのがわかる。横たわる私の頭元に座る人は海軍の人で、見たことあるなぁって薄っぺらい考えが頭を流れた。



「……むー!!?」

「オメェ何してんだ?」

「まだまだ調子悪そうだなぁ…」

「まだ顔真っ青じゃない…!アイツに連れてこられたの!!?」



ナミとルフィが駆け寄ってきてくれる。ウソップは腕を組んで深刻そうな顔で私を見ている。自分ではフワフワしているだけでそんなに深刻な自覚はあまりないけれど、相当酷いらしい。ナミの手がそっと私の髪を撫でた。



「それよりおれさっきから力が抜けて…」

「何だハラでも減ったのか?」


「ぐわっ!!!」



ゴン、ガガン―と聞こえてきた音。何かが柵にぶつかる音が聞こえてきた。振動がグラグラと身体に、頭に響く。ああどうしようまた、段々皆の声が遠くなってきた。


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