ここはどこだろうか。見渡す限り真っ暗な闇の中に、ポツンと一人たたずむ私がいる。不安で不安で前に進むけれどどこまでも続く闇は終わらない。すると向こう側から私を呼ぶ声。ぼんやり、数人の姿が見えてきた。見覚えのある姿に走って向かう。だけど走っても走ってもこの距離は変わらない。それどころか離れていくその姿には、手を伸ばしても届かない。反対側から私を呼ぶ声がする。独りぼっちが怖くて声のするほうに私は必死で走った。走って走って、遠くの方に眩しいくらいの光を見付けた。近付いてくる光に手を伸ばし、触れた瞬間、



「むー!!!」

「むーぢゃん゙…!!」



目を覚ました。
ナミとサンジさんが目の前にいて、後ろには心配そうに私を覗き込むウソップとルフィ、それからゾロさんがいた。
ナミが不安そうな表情でもう一度私の名前を呼ぶ。



「むーの馬鹿!!調子悪いなら我慢なんかしないで言いなさい!!!何かあってからじゃ遅いんだからね!!!」



おもいっきり怒られた。きっとゾロさんが話してくれたんだろう。ごめんねって小さくつぶやくとナミは泣きそうな表情を浮かべた。きっと凄く心配してくれているんだろうなって、すぐにわかる。



「原因はハッキリわからないけど、きっと疲労とストレスもあると思う。熱はないみたいだけどしばらく安静にするのが一番だ。一応、頭痛と眩暈用の薬を出しておくぞ」

「……ありがとう、」



チョッパーがそう言って、私に水と薬を差し出した。本当にお医者さんなんだなって。意外と呑気な自分に少しだけ呆れた。
みんな(特にルフィやサンジさん)がいたら安静にもできないだろうって、みんな一旦外に出ていく。静まり返った部屋は何だか少しだけ心細く感じる。



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