何か大きな、大きな声が聞こえた気がして目が覚めた。どうやらかなりの時間気を失っていたらしく、部屋の中はもう暗くなっていた。眩暈も頭痛ももうスッカリよくなっている。
抱えたままだったシーツは干せなかったけれど、取り敢えず新しいシーツに変えておいた。近々ちゃんと干さなきゃなぁと、早く天気の良い日が来ないかとぼんやりそんなことを思った。



「むーちゃん大丈夫だったか!?」

「うん…おかえり」

「それいいなぁ!ただいま!」

「…一人にして悪かったな」

「むーに聞かせてやるよウソップ様の武勇伝を!」

「あんたは何にもしてないでしょうが!ったく…心配かけてごめんね、ありがとうむー」



サンジさんが真っ先に私の所に飛んできてくれて、ルフィがおかえりに反応してくれて、ゾロさんはいつの間にかいなくなっていたようで謝ってくれて、ウソップは自慢げに話を聞かせてくれて、ナミもすっかり良くなったようで笑顔で手を振ってくれた。
隣に一匹、初めて見る鹿のようなまるっこい動物がいる。ナミの足下に隠れているが、身体の半分以上が丸見えっていう不思議な隠れ方。



「むー、新しく仲間になったチョッパーよ。これでもトナカイ、優秀な医者なのよ」



背中を押されて前に出てくる、チョッパーと呼ばれたトナカイ。二本足で歩き、引きつったような顔でじっと私を見ている。汗がダラダラ流れているように見える。緊張でもしているのだろうか。
ぎゅっとピンクの帽子を深くかぶり直し、目がぎょろりとしたまま高い声で話し始めた。鳴き声なんかじゃなく、しっかり私にも分かる言葉で話している。



「お…俺のなま、名前はトニートニー・チョッパー!な、なか…なか、仲……」

「…仲間、ね!私の名前はむー、よろしく」

「……驚かないのか?」

「…どうして?」

「あははは!むーはもう見慣れちゃったんだもんね!周りに変な奴しかいないから!」



彼はびっくりしていた、だけどナミの笑い声につられるように周りのみんなも安心したように笑っていた。



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