夜になってもみんなナミの傍を離れない。皆が次々に眠りに堕ちていく中、私はどうしてだか眠れなかった。
風邪でもひいたのか視界がユラユラして、最近は身体がぐらつく事も多い。ナミの風邪がうつったのかもしれないけど、ナミがこんなに大変なのに私がこんな事言うわけにもいかない。それにナミに比べたら私なんて全然何でもない。時計はもう夜中の3時を指していて、寝ようと決めて目を閉じた。



「お、やっと起きたか」

「お前今日はよく寝たなぁ!」



にししし、とルフィが私を見て笑う。どうやら今まで寝ていたらしく、寝ていた私にも親切に毛布が掛けられていた。頭のふかふかとした感触はどうやらカルーが私の枕になっていてくれたらしい。ありがとうって呟くと照れたみたいに頭を掻いた。



「島があったぞーっ!!!」


「島かァ!!!?おいナミ!!よかったな!!島だってよ!!病気治るぞ!!!…………………!!」

「…みて来いよ、いいから」



外から聞こえてきた“島”という言葉にテンションが上がったルフィ。それにゾロが気付いてそう伝えると、すぐに部屋から飛び出していった。



「お前も大丈夫なのか?」

「……何が?」

「顔色わりィぞ」



自分じゃあよく分からないけれど、ゾロさんからしてみれば私の顔色は余り良くないらしい。今は体調に異変はない。何なら昨日の夜よりもずっとスッキリしている。大丈夫だと伝えると、一瞬間が空いて「ならいいが」と視線をナミに戻した。
島が見えてきたらしくゾロさんも外に出ていった。私がしっかりナミを見てなきゃ、と近づく。ああやっぱりまだまだ苦しそうだ。ズレていたタオルを元に戻すと、どうやら島に着いたらしくサンジさんがナミを背負う。



「むーちゃんにはここでアイツと一緒に船番を頼む。アイツと2人ってのが納得できねェが…いいか?」

「うん、わかった」

「ナミさんはこっちに任せとけ」



タバコを咥えてニカッと笑ってみせたサンジさんは、待っていたルフィやウソップと共に島の奥に入っていった。
船は静かになる。ナミの寝ていたベッドは汗で湿っていて、洗わなきゃいけないなと思ってシーツをベッドから引き剥がしたその瞬間、激しい眩暈と吐き気に襲われて思わずベッドに座り込む。どうしたんだろう、なんて考えている余裕もないくらいグラグラと頭が揺れ、次第に何かで思いっきり殴られるような耐えきれない痛みが何度も頭を襲ってくる。ヤバいかもと思ったときにはもう既に遅く、目の前がただただ真っ暗になっていた。


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