あれから1日経った今でもナミは高熱に苦しんでいる。生姜とハチミツの入ったドリンクは意外と気に入ってくれたらしく、また飲みたいと言ってくれた。小さな事だけど役に立てたんだと思うと、それでも私にはすごく嬉しい事だった。



「よく身体があったまる飲み物だ。むーちゃんが作ったのか?」

「…うん。私小さい時よく風邪引いて熱だしてて、その度おばあちゃんやお母さんが作ってくれてたの」

「成る程こりゃいい。俺にも作り方教えてくんねェか?」

「簡単だよ、こんなの」



身体の芯から暖まる飲み物が恋しいのはみんな一緒で、ナミだけじゃなくて皆も“何だか身体が温まる”と飲んでくれてる。昨日の夜からよく冷えるのは、外には雪が降っているせいだろう。昨日までの薄着とは打って変わってみんな上着を着込んでいる。私も例外でなく、ナミが買い込んだ衣装の中から借りたのを着てる。
すると突然グラリと揺れる身体。身体が揺れたのではなく船が揺れているのだと気付いたのは、サンジさんがナミの寝ているベッドを支えているのを見たからだった。ベッドが宙に浮いている。外で何かあったんだとすぐに分かるとサンジさんは外に飛び出していく。



「ビビちゃんむーちゃんここ頼むっ!!」

「ええ」



ずっと苦しそうなナミの汗は、拭いても拭いても止まらない。苦しいんだろうなぁって思うと自分の眉間にシワが寄る。
船はガタガタと揺れて、仕舞には銃声まで聞こえてくる。それに反応したビビさんも外に飛び出していってしまう。残されたのは私とナミと、そしてカルー。不安そうな私に寄り添ってくれるカルーの頭をそっと撫でると、クエッと小さく鳴いた。



「水とか…ぶっかけたら熱……ひかねェかな………」

「アホかァア!!」



無茶苦茶な事を言うルフィをぶっとばすビビさんとサンジさん。さっきまでの騒ぎも一段落して今は皆がナミの周りに集まっている。ナミは愛されてるんだなぁ、って、そう思うと少し羨ましかった。



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