ぷかぷかと海に浮かぶ船。すべての騒ぎや感情がまるで嘘だったかのようにスッと静まっている。
ミス・ウェンズデーもとい、ビビさんは本当にしっかりした人だった。この海のこともよく知っているみたいで色んな事を教えてくれる。今、こうやって静かな海でもどうなるかはわからない。だから気を抜くなんて言語道断、なんだって。



「おい!!野郎ども!!おれのスペシャルドリンクを飲むか!!?」

「おおーっ!!」

「………いいの!?こんなんで!!!」

「いいんじゃない?」



呆れたような、不満そうな表情でビビさんがそう言う。確かに不安には思うけれど、だけどもう大丈夫。
ナミが渡してくれた、サンジさんが作ったスペシャルドリンクを飲む。冷たくて美味しい。飲んだことない味で、だけど爽やかな微炭酸が何だか気持ちをスッキリさせる。



「悩む気も失せるでしょ、こんな船じゃ」

「…ええ、ずいぶん楽……」



ニカッと笑顔を浮かべたナミの言葉には、本当に安心してしまうそんながチカラがある。あはははって聞こえてくる笑い声には、本当に危険な道を進んでいるのかと疑問が浮かんできてしまう程。



「おいみんな見ろよ!イルカだぜ」

「おお」

「わあっかわいい…」

「わ、本物……だ………」


「デカイわーっ!!!」



船をも丸呑みしてしまいそうな大きさのイルカに皆が逃げ狂う。船を操縦してなんとかイルカから逃げて、平和じゃないけれど何だか一緒にこうやっている事を少しだけ楽しいと思ってしまった自分がいた。だけど私だけじゃない、みんなも同じように楽しそうにしている。みんなの笑顔が、凄く好きだなぁと思った。



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