「わかった…………やっぱり山を登るんだわ」

「まだ言ってんのかお前そんなこと」



階段の側面に寄りかかるように座ると、ゾロさんが私の隣に座った。洋服ももうびしゃびしゃだ。
ナミさんはまた“偉大なる航路”について詳しい説明を始める。やっぱりよく分からない、だけどどうやらなかなか危険な道程らしい。生きるか死ぬか、“偉大なる航路”に入るにはどちらか1つしかない、らしい。



「不思議山が見えたぞ!!!」



ルフィが大声で叫ぶ。みんなが視線を向ける先には、赤い色をした岩…“赤い土の大陸”が立ちはだかっている。何ていうか、凄い圧迫感。言葉も出なくなる程の圧迫感、そしてその威圧感。どこまでも続くように大陸は上へ伸び、存在感を隠すかのように白い雲が覆っていた。



「吸い込まれるぞ!!!舵しっかり取れ!!!」

「まかせろォ!!!」


「すごい」

「…ウソみてェだ…」


「本当に海が山を登ってやがる…」

「運河の入口だァ!!!!」



舵を取るウソップとサンジさんが飛んでいく。ボキッと折れた、舵を持ったまま。船は真っ直ぐに、前にある障害物に向かっていく。これが何なのかはわからないけれど、何かよくわからない“覚悟”が生まれていた。そんな私の前を、まるで風船になったルフィが飛んでいく。そしてその瞬間引っ張られる私の腕、ぶつかるのは、サンジさんの服の中。



「入ったァーっ!!!」



飛びそうになる体をしっかり掴んでいてくれたおかげで、宙に浮いたが投げ出されることはなかった。着地の時にガツンとした衝撃が身体に走ったけれど、目を開けるとさっきのような恐怖の景色は消えていた。



「おお見えたぞ“偉大なる航路”!!!!」



二度目の、ルフィの叫ぶ声。
ようやく辿り着いた、らしい。目の前に広がる大きな、大きな海に、私の目は釘付けになっていた。


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