第二回戦は“グロッキーリング”という球技で、出場者はサンジとゾロ。サッカーが出来るくらいのフィールドの両端に巨大な浮き輪のようなものが置いてあり、あれがゴールなんだろう。
真ん中に立った二人は何やら言い合いをしているようで不安は募るばかり。大丈夫、これが二人だから、…なんて言い聞かせてみるけれど本当のところ胸中は落ち着かない。



『ここで一発「グロッキーリング」ル〜ル説明をするよっ!!フィールドがあってゴールが二つ〜!!球をリングにブチ込めば勝ち!!!ただし!!“球”はボールじゃないよ!!人間!!!まずは“球”になる人間を決めてくれっ!!!』



私の場所からじゃよく見えないけれど、どうやら球を被ったのはサンジらしい。また揉めているようにも見えて胸騒ぎが止まらない。大丈夫なのかな…なんて不安に駆られていると、フォクシー海賊団の船から“コンダバダバダバ〜”なんていうメロディーが聞こえてきて意識はそちらに向く。メロディーと共に船首の狐の口から“グロッキーモンスターズ”と呼ばれた三人が現れ、そして思わず目を見開いた。



『先頭には四足ダッシュの奇人ハンバーグ!!!続いて人呼んで“タックルマシーン”ピクルス!!そして最後方には魚人と巨人のハーフ!!“魚巨人”のビッグバン!!!』


その姿は正にモンスター。3人とも普通の人間なんかじゃなくて、見るからに強そうな容姿。サイズもサンジやゾロの比じゃない大きさだ。私の場所からだとサンジとゾロよりもその三人の方がハッキリと見えていた。
ソワソワ、胸が落ち着かない。薄暗い何かが胸に渦巻いているみたいに、怖いというよりもやっぱり不安だった。きっと敗けないし助けてくれるって思っていても、現れたその相手を見れば不安も大きくなる。信じてないわけじゃない…なんてそんなの、こうやって不安になってる時点で信用しきれていないのかも知れないけれど。一度胸に息を吸い込み、それをゆっくりと吐き出す。大丈夫、大丈夫きっと。それを暗示のように何度も何度も繰り返した。
次第に観覧者たちの応援もヒートアップしてくる。ワァワァ賑やかな人だかりがフィールドを囲むように騒ぎ出す。ルールは他に、武器が禁止なことのみでそれ以外は何をしても良いのだと言う。ボールマンはいつの間にかサンジに決定していた。



『さァこの楽しい勢いで〜!!時間は無制限!!一点勝負!!!一回戦で奪われた少女を取り返せるのか麦わらチーム!!はたまた再び船員を奪うかフォクシーチーム!!激突寸前!!「グロッキ〜リング」!!!今、笛が鳴るよ!!!』



試合開始の掛け声と共に大きな笛の音が鳴り響く。再び深呼吸。大丈夫、大丈夫、何度も何度も言い聞かせる。



「オヤビンのお嫁さんになる気分はどうかしら?」



隣にいた女性が私に話し掛ける。何も言わず唇を噛み締めていると、上から小さな笑い声が聞こえてきて自然と眉間にシワが寄った。
最初は押されぎみだったサンジとゾロが相手の二人をフィールドの外に投げ飛ばす。残った敵は一番大きな魚巨人だけのようだ。


「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -