海の水により水浸しになった身体をシャワーで洗い流し、着替えも済ませる。そして今は全員船室に集まって話し合い。内容はそう、あれ、の話。



「さてお待ちかねのっ!!海賊のお宝は山分けと決まってるわ!!これだけの黄金だものすごい額よ!!」



そう、目の前の机いっぱいに広げられた“黄金”の話。眩しいくらい輝くそれに、みんなのテンションが上がるのは仕方がないことだと思う。8割をへそくりにすると笑って言ったナミに焦る場面もあったけど、すぐに真面目な話になる。
もうかなりの距離を走って無茶な運転もいっぱいしたし、色んな攻撃を受けて目に入る場所はツギハギの修繕痕だらけ。そんなメリー号の話。



「船を?このメリー号をか?」

「そうよ――もうボロボロじゃない」

「そりゃいい!!!」

「ゴーイング・メリー号大修繕!!!大賛成だ!!」

「――じゃ…それにいくらかかるかわかんないから宝の山分けは保留ね」



黄金の使い道は、誰の反対もなくメリー号の修繕を第一にする事に決まった。
サンジが作ってくれた特製のサンドウィッチを食べながら話は続く。それにしても美味しい。ここに来て美味しいものばっかり食べてるから少し太ってきたような気もしなくもない。



「考えてみりゃ“東の海”のおれの村からずっとおれ達を乗せて航海してくれたんだ。たまにゃあしっかり労ってやんねェとバチあたるってもんだぞ」



ウソップが言う。確かにその通りで、私もこの船の最初、綺麗で海を出る前のあの時から乗ってきた。それだけ旅を共にしてきたということだけど、やっぱり少し疲れているように見えなくもない。ホントにいい案だと思う。



「―だったらよ、“船大工”仲間に入れよう!!!旅はまだまだ続くんだ、どうせ必要な能力だし。メリーはおれ達の“家”で!!“命”だぞ!!この船を守ってくれる“船大工”を探そう!!」



ルフィが立ち上がって熱弁を振るう。船室は一瞬静まり返ったがすぐにそれぞれが言葉を発する。



「…………」

「…………コイツはまた…」

「ホントまれに…核心をつくよ…」



呆れたように、だけど皆嬉しそうに笑った。ルフィはワガママでドジでバカらしくて船長らしくない瞬間もあるけど、でもやっぱり彼は船長、立派なリーダーだ。
ミルクティーを飲みながら皆の話に耳を傾ける。仲いいなぁって今更ながらそう感じた。



「ん、お前も食わにゃ腹減るぞ」

「…ありがとう、でももういっぱい食べたよ?」

「あれでいっぱい?そんなんじゃそのうち倒れンぞ、ほら食えよ」



隣にいたゾロが私の前に置いてある小皿に大量のサンドウィッチを乗せた。
私なりに結構食べてたんだけど、確かにみんなの食べっぷりを見ているとあんまり食べていないような気がしてくる。ナミだって見た目はスリムなのに意外とかなりの量を食べるから、かなり羨ましい。ロビンはあまり食べないみたいだけど、それでも私よりは食べる。――私も二人みたいに食べても太らなきゃいいんだけどな、なんて思いながら山のように盛られたサンドウィッチに手を伸ばした。


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