ライトライトライト！

<投稿者：黒い彗星>
08/30 23:30
□すごいもん見たｗ
今、折原臨也と平和島静雄が２人ですげえとこ入ってったｗ

<投稿者：みち>
08/30 23:32
□ちょｗ
それ、俺も見た！
あの２人って仲悪いんじゃなかったのかよｗ

<投稿者：百合姫>
08/30 23:35
□え？
それって、どういうこと？

<投稿者：もも>
08/30 23:36
□状況わかりません＞＜
詳細希望！

<投稿者：黒い彗星>
08/30 23:38
□折原臨也と平和島静雄が
２人でラブホ入ってったｗｗ
証拠写メ↓
http://www.dollars.com/bbs/xxxxx.jpg

「ぶはっ！」

行為を終えたあと、ベッドに寝転びながらいつもの情報収集の一環として携帯を弄っていると目に飛びこんできた、ダラーズの掲示板のとあるスレッドに、思わず吹き出してしまった。
携帯を弄っていたと思ったら急に笑い出した俺を、こいつとうとう頭おかしくなっちまったな…とでも言いたげな哀れみを含んだ視線で眺めてくるシズちゃんに苦笑を返す。

「ダラーズの掲示板見てみなよ。面白いことになってるから」

ベッドサイドに置かれている彼の携帯を指でトントンと叩くと、シズちゃんは面倒くさそうに煙草を揉み消してから携帯に手を伸ばした。
てめえが言う面白いことなんてロクなもんじゃねえ、なんてぶつぶつ文句を垂れながら携帯を操作しているシズちゃんの顔から余裕の色が消えた。
視線が携帯の中の文字を追うごとに、みるみる青くなっていく顔色。

「なっ…んだよ、これ…！」
「どうもこうも、見られちゃってたみたいだねえ」

しかもご丁寧に写真まで。
これじゃ、はあ？人違いに決まってんじゃん俺とノミ蟲がそんなとこ行くわけねえだろはははマジ死ねよアイツ
というようなはぐらかしも誤魔化しも、さすがに出来ないだろう。
必死に言い訳と打開策を考えているであろうシズちゃんの頭を、ポンポンと軽く撫でる。
諦めなよ、という意味を込めて。

「これ…削除できねえのか」
「無理だろうね。スレッドを立てた本人か管理人にしか削除は出来ないはずだよ」

まあ、俺が帝人くんに電話してお願いしたらすぐ削除してもらえるだろうけど。
でも俺がそこまで気を回す必要は正直言って無い。
俺との関係を頑なに隠したがっているのは、シズちゃんのほうだから。

「最悪だ…なんで、こんな…」
「だから、ホテルじゃなくて俺の部屋行こうって言ったのに、新宿まで行くの面倒くさいって言ったのシズちゃんでしょ」
「俺の部屋だと駄目だって言ったのはお前だろ！」
「だってシズちゃんのアパート、壁薄いからさあ」

シズちゃん声おっきいから、隣りの部屋に聞こえちゃうでしょ？
皆まで言わなくとも俺の意図を察したらしいシズちゃんが真っ赤な顔で、枕を投げつけてきた。
可愛らしいその攻撃を軽く避けて、ベッドの端に座り直すと、シズちゃんは顔を赤くしたり青くしたりしながら
うう、だのああ、だの言葉にならない呻き声を漏らしている。

「これって、誰でも見れんのか…？」
「ダラーズのメンバーじゃない限り見れないよ。って言っても、俺たちの知り合いなんてほとんどダラーズばっかだし…」

セルティにドタチンにサイモンに…指を折りながら列挙していくと、具体的に名前を挙げられて急にリアルに感じてしまったのか、もういいやめろ！とシズちゃんがまたも枕を投げつけてきた。
恥ずかしさが隠しきれないのか、他にも俺に投げつけるものを探しているシズちゃんの腕を取り、くんと距離を詰めるとその柔らかい唇に触れるだけのキスをした。
ん、という小さな吐息が漏れてシズちゃんが大人しくなったのを確認してから、唇を離す。

「だから、こんなことになる前に早く俺たちの関係言っちゃえば良かったのに」
「…死ぬほど嫌いでしたけど何だかんだで和解して今じゃ恋人になりました、なんて言えるかよ…」
「でも、事実なんだから仕方ないでしょ。それが嫌なら俺と別れる？」

余裕ぶって意地悪くそう言ってみたけど、これで本当に、それナイスアイデアじゃん、よし今すぐ別れようぜ！なんて言われてしまったらどうしようかと内心ドキドキだった。
でもその心配も杞憂に終わる。
力無く体重を預けてきたシズちゃんが、ぽすりと俺の腕の中に収まり真っ赤になった顔を隠しながら、別れるくらいなら死ぬほど恥ずかしくても我慢する…と小さく小さく呟いたことによって。
ああ、もう！シズちゃんは本当に俺の理性のタガを外すのが上手いんだから！

「どうしよう、シズちゃん」
「何だよ」
「勃っちゃった」
「はあ!?」

マナーモードにしている俺の携帯に先程からひっきりなしに届く「イザイザとシズちゃんってどっちが攻めなの!?」という興奮しきった狩沢からのメールに返信するのは、もう暫くこの可愛い恋人を堪能してからにしよう。