「ねえ、新羅とついでにシズちゃん、俺たちに足りないものって何だと思う?」

「人間性?」

「そうだけど、違う!俺が求めてるのはそんな真面目に辛辣な答えじゃない!」

「このパンうめぇ」

「そしてシズちゃんはもう少し俺と会話する気を持ちなよ!」

「どうしたのさ臨也、いきなり。まあ君が頭おかしいのは今に始まったことじゃないけど」

「おい新羅、今何かサラッと失礼なこと言わなかった?」

「気のせいだよ」

「ごちゃごちゃうるせーんだよノミ蟲。さっさと昼飯食え。そして米粒を喉にでも詰まらせて死ね」

「いやだよ、そんなお爺ちゃんみたいな死に方は!」

「はいはい、喧嘩しないで。で一体何なのさ、臨也」

「ああ、そうそう。さっきクラスの奴らが話してるの聞いて思ったんだけどさ、俺達には男子高校生らしい今時の会話が足りないと思うんだよね」

「…、ちょっと言ってる意味が分からない」

「ちょっとどころか全く分からん。つーか分かりたくもねえから、ノミ蟲がすぐさま死ねば全てが解決すんじゃねえかな」

「シズちゃんはちょっと黙ろうか」

「ていうか今時の会話って何?好きなドラマとか音楽とかの話?悪いけど俺はセルティ以外の万物に興味が無いから無理だよ、そういうの」

「いやまあそういうのもあるけど、ほら他にも色々あるじゃん」

「例えば?」

「自分が似てる芸能人の話とか、誰の間でも一度くらいは話題に上るじゃん」

「……上ったことないけど…」

「だから、それは俺達が普通じゃないからだよ。しようよ、普通っぽい会話!たまにはいいじゃん!」

「いつもウゼェが、今日のノミ蟲はまた一段とウゼェな」

「じゃあ、一応聞いてみるけど、例えば俺だったら芸能人の誰に似てると思う?」

「えー…臨也を芸能人に例えると?…えー………誰って…………えー…」

「……まあ、俺ぐらい顔が整ってると敢えて誰って言い辛いよね。寧ろ俺自身の顔が芸能人並だしね」

「………」

「ちょっとやめなよ、シズちゃん。その痛い人間を見るかのような顔やめなよ」

「あっ、じゃあ静雄は?例えば誰かに似てるって言われたことないの?」

「ねえな」

「あー、そっか。まあ静雄もそう特徴的な顔じゃないしね」

「ていうかそもそも、そんなフレンドリーな会話をしてくれるような相手が居ねえな」

「やめて静雄!!それ以上の自虐は止めて!!!」

「くそ、辛気臭いこと言わせやがって。それもこれも全てはいらんこと言い出したノミ蟲のせいだ」

「責任転嫁も程々にしなよ!?今のはシズちゃんの勝手な自爆でしょ!!」

「むしゃくしゃするから、ちょっと購買でメロンパンでも買って来いよノミ蟲」

「古典的ないじめしないでよ!…まあ、それぐらいいいけどさー…、じゃあお金ちょうだいよ」

「財布持ってきてねえから、テメエが出せ」

「このジャイアン!!」







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