「あぁ、ほら。そんなにしてると折角のミルクが零れちゃうよ?シズ」

「………」

「そんな物欲しそうな顔しないでよ、シズ」

「………」

「また、そんな声出して…。あんまり可愛い声で啼いちゃ駄目だよ、シズ」

「………臨也」

「ん?」

「死ね」








「…死んでくれ」

「何で2回言うのさ!ていうか、俺何かしたっけ!?」

「自覚が無いのが凄えな」

「だってそうでしょう?俺はただ、シズと話してただけだよー?」

「たかが猫相手に、よくあんな卑猥な会話が出来るな」

「あっれー?あれが卑猥だなんて思ったんだ?シズちゃんのエッチー」

「帰る」

「待ってゴメン帰んないで!」

「大体、今テメエが抱いてるソレは何だ」

「猫」

「…そんなもん見りゃ分かる。俺もさっきそう言った。殺されてぇのか、お前」

「…だぁから、仕事帰りの道端で雨に濡れて震えてるコイツを見つけて、心優しい折原臨也くんはそのまま見捨てる事が出来ずに、こうやって連れて帰って来たんだけど」

「…で?そいつの名前は何だ」

「シズ」

「 嫌 が ら せ か 」

「何でさー。俺はただ俺にとって一番大切なものの名前を付けただけだよ?
あっ、それよかもっと直接的に”静雄”って付けてもらいたかった?」

「何でそうなる」

「想像してみなよ。きっと可愛いよ?」

「何が」

「ミルクを一生懸命に舐めるシズちゃん(猫の方)」

「………」

「俺(の出したエサ)を物欲しそうに潤んだ瞳で見つめるシズちゃん(猫の方)」

「………」

「俺が優しく撫でてやると可愛い声で啼いてみせるシズちゃん(猫の方)」

「この世からグッバイ、ノミ蟲」

「すいませんでした!!」






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