「甘楽、おはよう。」

私とシズちゃんは付き合ってまだ一ヶ月のラブラブカップル。一応、皆に二人の仲を公開してる。だから学校でも普通にイチャイチャできる。

「おはようシズちゃん。」

「あ、その髪留め、前俺が買ったやつだな。やっぱり甘楽に似合ってる。」

「ありがとう、結構気に入ってるんだ!」

「そうか、甘楽はそういうのが好きなのか。じゃあそういうのをまた買ってやるからよ。」

「ホント?ありがとう!」

シズちゃんは何と言うか、優しい。優しすぎる。顔もいいし優しいし、モテるのも仕方ないよね。他の人にも優しくするからちょっと嫉妬しちゃったり。でも私にはとびきり優しいからまだいいけど。

私が普通の女の子だったら、きっとシズちゃんにメロメロなんだろうなぁ。でも優しいだけじゃ、物足りないと言うのが私の本音で。

「なあ、今週末俺の家に来ねぇか?」

「へ。」

何の脈絡も無しに言われたので、思わず素で返事してしまった。シズちゃんは段々、自分が言った言葉の意味を知ってかあぁと顔を赤くさせた。

「ち、違っ、別にその、えっちなこととか、やらしいことをしようという訳じゃなくて…!か、甘楽と一緒に見たいDVDがあるから、一緒に見れたらなぁと思って、だから、下心とかはなくて、あああ…!」

言えば言うほど自分を追い詰めているシズちゃんに思わず笑みがこぼれる。可愛いなぁこの子。

「DVD見るだけなんでしょ?暇だし、行くよ。」

「あ、そ、そうか、よかった…」

まだ顔を赤らめたまま安堵した表情を見せるシズちゃんはまだ私の本性を知らない。
きっと今の私は、シズちゃんだけでなく学校の人たちにも大和撫子、みたいなイメージを持ってもらっているだろう。でも本当の私はそういうのとは全然違う。
主導権交代といきましょう?




今、シズちゃんの家でDVDを見ている。シズちゃんの家族は居ない。私とシズちゃんの二人だけ。
こんなチャンス滅多にないよね。

「シズちゃん…ムラムラしてきたぁ。」

私の突然の誘いにぽかーんとしているシズちゃんを床に押し倒すと、シズちゃんは少し焦った感じで抵抗し始めた。

「な、か、甘楽、何言って…」

ふふふ、シズちゃんったら可愛い。私が女であり恋人であるから普段の怪力を発揮できてないし。今のシズちゃんなら、食べても文句は言われないわよね?

「シズちゃぁん、童貞ちょうだーい?」

ナイフでシャツを切り刻んでいく。うふふ、私の処女もシズちゃんに捧げるわ。

「いただきまぁす。」




次の日、シズちゃんの後ろ姿を見つけたから気配を消して近付き、挨拶代わりに形のいいお尻を撫でる。

「おはよ、シズちゃん!」

殺気を感じて後ろに飛ぶと、先ほどまで私が居たところにシズちゃんの拳が空を切った。怖いこわーい。

「ちょっとぉ、仮にも恋人なんだよ?もうちょっと優しくしてよ。」

「うるせぇこの痴女が。朝から俺の尻を撫でて何が楽しい?」

先週から一変、私たちはこんな感じだ。喧嘩ップルという名に相応しいんじゃない?私は先週のラブラブな雰囲気よりこっちの方が好きだからいいんだけど。

「だってシズちゃんのお尻、小さくて柔らかくて気持ち良いんだもん。」

「うぜぇ!」

「そんなにうざいなら別れる?」

私がこう切り出したら、シズちゃんは絶対別れるとは言わない。大人しく私の言うことを聞いてくれる。ホント私ってば愛されちゃってるよね。
まあ別れるって言われたら嘘泣きするだけなんだけど。シズちゃんはたとえ私であろうと女の子泣かせたら強くは言えないし。

「…別れねぇよ。」

「ふふ、シズちゃん大好き!」

「ケツ撫でるな。」

付き合い始めて一ヶ月とちょっと、ようやく快適な関係になれましたとさ!めでたしめでたし!





(そうそう、新しいバイブ買ったんだ!シズちゃんに似合うと思うの!)
(何で俺こんなのと付き合ってるんだ……)
(己の見破る能力の無さを呪ってよ!ふふ!)







妄想を並べる。のくれーぷさまより相互記念で頂きました!
くれーぷさま宅の甘楽ちゃんがあまりに可愛かったので、すごくマニアックなリクエストをしてしまったのですが…こんな素敵な小説が頂けるなんて嬉しすぎます><
私サイトやってて良かった…!
前半のラブっぷりも後半の殺伐っぷりも微笑ましすぎますラブ!
強姦されても痴漢されても別れてあげない静雄くんは良い彼氏(^^)私と付き合ってください←
くーたん、素敵な小説を有難うございました!これからもよろしくです!




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