「メリー明けまして福は外」

「投げやりな挨拶は止めなよシズちゃん」

「ことごとく季節イベントスル―してるから、まとめてやっときゃいいかと思ったんだよ」

「気持ちは分からないでもないけど、とりあえず今回のメインは節分だよ」

「ほう」

「節分と言えば、代表的なのは豆だよね。歳の数だけ食べるんだ」

「ただの豆かよ。テンションあがんねーな」

「全くだよね。俺もこんな味気ない大豆食べるくらいなら、シズちゃんのお豆を食べたいよ」

「ナチュラルに下ネタ盛り込んでくんの止めろ」

「じゃあ豆は置いといて、恵方巻きを食べようか」

「寿司か」

「そうそう。今年は南南東を向いて食べるんだよ」

「なるほどな、任せろ」

「絶対やると思ったけど、シズちゃんそっち北だよ」

「気付いたか、今のは手前を試したんだよ」

「そういう強がりいいから」

「言いがかりだ」

「南南東は、こっち。仕方無いから俺がお手本見せたげるよ」

「寿司食うのに手本も何も無えだろ」

「分かってないなあシズちゃんは。ほら、見てて」

「さっさと食えよ」

「ふぉうは、ふぁまっへふぁふぁんふ」

「黙って食え」

「…んっ、シズちゃんのっ…、おっきぃ…!」

「そういうのいいから」

「はい、以上お手本。俺がやった通りにやってみて」

「やんねーよ」






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