純粋無垢な悪魔
息の根を止めてしまって
何もかも白に染め上げたある朝に
君がいないことがこんなにも苦痛だったなんて知らなかったんだよ
塩辛い飴玉を飲み込んでしまった

愛していただけだったのに

この気持ちはちっとも伝わらない
ある日、君を見たんだ。この地獄の中に君の姿だけが鮮明で、そして残酷だった。
世界よりも君を羨んだんだ。
花のように、綻ぶひとだった。
なにもない。なにもないと、思いたい。

世界でただひとり、貴方だけが僕を殺す権利を持っていた。

何もなければそれで良かった。けれど現実はもっと残酷で。
勇者になりたかったわけじゃない。守りたいものがあっただけだった。
世界を滅ぼしたかったわけじゃないのに、
もうこうなってしまったら元には戻れない
カナリアの断末魔

殺してほしいと叫んでいた
何よりもきみが残酷で
大好きだという言葉がナイフみたいに突き刺さる
ノックの音が近い
空しい言葉ばかりが積み重なっていく

愛してるという気持ちだけでどうにか生きていた
嗚呼、こんな錆び付いた記憶では前には進めない
君が遠くて、届かない
甘い石榴、腐った果実、熟れた花
イルカはゆめをみる
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