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「兵助くんが死んだよ」

目の前にいるのは普段ふわふわ笑ってて人気カリスマ美容師のタカ丸さんで、ふわふわの髪が春の暖かい風に揺れていた。なのに猫のような口から発せられた言葉は鉛のように重く冷たかった。

「意味が分からない」
「だから兵助くん、任務で」

死んじゃったの、と目尻にぎりぎりまで溜めていた涙をぼろぼろと溢し地面にたくさんの染みを作った。タカ丸さんてば馬鹿みたい。

「兵助は死んでないよ」
「死んだよ」
「馬鹿、死んでない。死んでないよ!」

春一番の風が吹きタカ丸さんと私の髪を巻き上げていく。タカ丸さんの涙と金色の髪が反射して眩しかった。



「ナマエ、ナマエ」
「任務から帰ってきたらこの木の下で」


20120312
photo by criminal

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