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んまぁ!!あらあらボスったら〜!という声で目が覚めた。ルッスが帰ってきたのだ。そう思って未だずきずき痛む頭を覚醒させる。ボスがどうしたってんだ。明るいからきっと朝なんだろうなと思って枕元にある携帯に手を伸ばそうとしたら動かなかった。利き腕が。

「……ぎゃあ!」

自分の腕を辿っていくとそこには私の手を握って(詳しく言うと恋人繋ぎ)寝ている(もちろん同じベッドではなく椅子に座って)ボスがいた。私の悲鳴にぴくりと方眉を上げうっすらと目を開けた。色気はんぱないですご馳走さまです。

「…寒ぃ」

と言ってばふんとベッドに転がってきた。ひいい移したらカッ消されるやべええと痛む頭を押さえながらベッドを出ようとした。が、ルッスがあらそのままでいいのよん!とわけのわからないルッス語を話しはじめた。

「ルッス私移したらカッ消される!」
「ボスが自分から行ったんだからボスの責任よ〜それにボスは離す気ないみたいよ?」

は?と返す前に腹がぎゅうううと絞められた。ちょ、ちょちょ待って何か出る臓物から何か出る!いや臓物が出るわ!おえっとしながら腹を見るとボスの腕がまわっていた。抱きつかれてるぎゃあ嬉しい!なんてこと思うほど甘い雰囲気ではない。絞め殺される。

「ルッス助け…」
「うるせぇカス寝ろ」
「あらボス〜今日のデスクワークどうするの?」
「カス鮫にやらせろ」
「はいはい〜ナマエの分は私がやっておくわね〜」

ルッスなんていい人なんだ…!じゃねぇよ助けろよ!ボスも寝るなよスクアーロ可哀想どんまい。それじゃあね〜とルッスは部屋を出ていった。ちくしょう覚えてろよ!ていうか助けろ!

「ボス移る」
「移されるほど柔な体じゃねぇ」
「…風呂入りたい」

そう呟けばボスがもぞもぞと動きながら腕の力が緩んだ。よっしゃ命助かったと内心舞い上がりつつ転げるようにベッドを飛び出した。まじ腹痛いからね。

「死にぞこないのナマエ、王子が見舞いに来てやったぜ」

ボスもいんじゃん。ししっと笑いながら入ってきたベルに帰れといった。こちとら頭痛くて死にそうなんだよ!

「ナマエ風呂入んの?」
「うん?うん」
「ししっ俺が手伝ってやろうか?」
「死ね!!!」

親指を下にして首を切る動作をすればボスがぶはっと吹き出した。起きてたのかよ!

「ヴァリアーやめたい…」

ていうかそろそろ誰か薬持ってきてくれてもいいんじゃない?


20120103.
インフルエンザな自分のために書いたやつ
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