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くのいち長屋を出て裏々山に自主トレしに行こうと思ったときだ、裏々山に先客がいた。

「あ、勘右衛門」

森をぬけ少し開けたところに勘右衛門は立っていた。私には気付いてないらしく、未だに突っ立っている。勘右衛門、と呼ぼうと息を吸ったら勘右衛門は腰を低くし、両腕を腰に持ってきた。

「かん、」
「かー●ーはーめー、」
「え」
「はァァアアアア!」
「勘右衛門んんん!?」

勘右衛門が謎の呪文を唱えた瞬間、勘右衛門の両手が光り破壊光線的なのが出てきた。勘右衛門の前にあった木々は一直線に消えている。え、なにこれ私どうしたらいいの。

「あれ?なんだいたの?声かけてくれてもいいじゃないか」

恥ずかしいとこ見られちゃった、と仄かに頬を染めこちらに走ってきた。いや、可愛いんだけどね。そこ頬染めるとこじゃないしね。ていうか今の、なに?勘右衛門って人間じゃなかったっけ?見た目は人間だよね?

「勘右衛門、今のは…」
「え?ああ、今日は凄く調子がいいんだ」

は?調子がいい?え、日本語なのに理解出来ないんですが。私がぽかんとしている間に勘右衛門は私と距離を取ってさっきの体勢になった。そして勘右衛門の周りには風がひゅおおと枯れ葉とともに渦巻いている。あれ、なんか危なくないか私。

「見ててね!かー●ーはーめー、」
「ぎゃぁあ勘右衛門やめてぇええ!向こう!向こうでやって!私にやらないで!」
「あっ逃げた!」

私がくのいち長屋に走って逃げたら勘右衛門が追い掛けてきた。大声で私の名前を呼びながら俺の奥義見てよー!と叫んできたので私は悲鳴を上げながら長屋に逃げ込んだ。友人達が心配しながら寄ってきたので勘右衛門に殺される!と泣きながら言ったら友人達の表情が変わった。

「尾浜殺す!」
「え?俺なにもしてないよ?」

しばらくして勘右衛門の悲鳴が聞こえてきた。くのいち怖いと思ったと同時に勘右衛門どんまいという気持ちでいっぱいだった。でもこれからは勘右衛門に近づかないようにしようと思う。

(こんなの絶対おかしいよ!)


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企画 騒げさまに提出

勘ちゃんは余裕でかめ●めは出せそうです

20110919
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