宗矩くんはエンゲル係数おかしい

「……宗矩」
「んー?」
「家賃替わりというか、おばさんからお前への仕送りと言う名目で俺預かりの口座に定期的に生活費が振り込まれるシステムになっているんだが」
「うん」
「なんか桁がおかしい気がしてさ、気ぃ使われてんのかと思って連絡したら『七割は食費で消えるはず』って言われたのな」
「うん」
「体格良いから相応に燃料がいるってのはわかるんだけどさ、お前そんなに食うの?」
「んー…、うち野郎ばっかりだし皆同じくらい食べるから意識したことなかったけど、ひょっとしたらそうなのかもねェ」
「そういや運動会の時の弁当とか凄かったよな。あれ兄弟がいるからとかじゃなかったんか」
「うちじゃ普通だったねェ」
「ふむ……」
「あぁ、でも俺は家の中じゃ食わない方だったからさァ、あんまり気ィ使わないでいいよ。好き嫌いとかないしさァ、足りなきゃ自分で何かしら調達する位するし」
「それは保護者としての俺のプライドが許さんので却下」
「(真面目だなァ)……猫の手にしかならないだろうけど、お手伝いはするね。ていうか、させて」
「当たり前だ。とりあえず買い出し行くぞ。ついでにこの辺案内してやるから色々覚えろ」
「はいよ」