二人でアイス

「宗矩、アイス食う?」
「ん、食べる。何味?」
「薔薇と桜どっちがいい?」
「……苑士兄さんてあれだよねェ、妙なところで好奇心旺盛だよねェ」
「苦しみは分かち合うもんだろ?」
「できれば喜びや楽しみを味わいたいんだけどねェ……。じゃあ、桜で」
「ほらよ」
「ありがと。じゃあ、いただきます」
「いただきまーす」
「…………」
「…………」
「…………」
「……そっちどうよ?」
「思ったより悪くはない……かなァ……良くもない感じだけど。……そっちはどんな感じだい?」
「上品な芳香剤食ってる感じ」
「(芳香剤……)交換する?」
「一口だけくれ。責任は持つ」
「ん。どーぞ」
「さんきゅ……あー、うん、こっちのが美味いな。桜っていうか、桜餅?」
「だねェ。俺にもそっち一口くれるかい?」
「ん。ほれ、あーんしろ」
「…………」
「……なに固まってんだお前」
「(こういうのは恥ずかしがらないんだから不思議だよねェ)……あーん」
「……どうよ?」
「……うん、確かに一言で言うなら芳香剤が妥当かなァ」
「だよな?!」