宗矩くんのお友達

「おお!奇遇じゃな、宗矩!」
「おやァ、明智先生のお嬢さんじゃないか。今日は一人でおでかけかい?」
「母上にお使いを頼まれての、その途中なのじゃ。……そちらの御仁は、そちのダチか?あるいは弟君か?」
「ぶっ、」
「…………」
「いたたた、いたいいたい、ちゃんと紹介するから無言でつねらないでくれないかなァ」
「自己紹介くらい自分でするわ。初めまして、お嬢ちゃん。俺は柳生苑士。こいつの保護者で同居人」
「保護者?では、そちの方が宗矩よりも年嵩なのか?」
「俺の方が8つ上なんだけどな、見えねぇだろ?」
「8つもか!はぁ…、人は見かけによらぬものじゃのう。確かに宗矩と並ぶとまるで親子のようじゃ」
「俺はまだこォんなでかい息子持てるような歳じゃないんだがねェ」
「貫禄だけなら父上よりたっぷりじゃ、自信を持つがよいぞ宗矩!」
「(……このお嬢ちゃん随分怖いもの知らずだなぁ)」
「(明智先生も随分と手を焼いてらっしゃるらしいからねェ)」