すきすき

「……で、気付けば天下統一までお仕えしてるんですから長いですよねぇ」
「私が顔に傷を負った時のお前の慌てぶりは見物だったな」
「私が怪我をした時の貴方の死にそうな顔こそ見物でしたよ。たかだか薄皮一枚切れただけなのに」
「私が倒れた時『死んだら冥土まで追い掛けてでも殺すからな!』と泣きながら叫んだのはどこの誰だ」
「私が流行り病にかかった時に『このまま死んだら来世まででも追い掛けて殺してやる』と泣き縋ったのはどこのどなたですかねぇ」
「…………」
「…………」
「愛しているぞ、苑士」
「はい、私もですよ司馬師様」


「恥ずかしいから余所でやってくださいよ兄上…」