うそうそ

お前が頑張ってたこと知ってるよ父上がお前を一番目をかけていたことも知ってるよだから私の世話役を任せたのだと知っているよ勉強も武芸も誰より優秀で本当ならもう戦場に出る筈なんだってでも私がいるからそれが役目だから離れないんだって知ってるよいつも眠そうなのは寝る間を惜しんで私が好きそうな本を読みあさってなんでも答えられるようにしているからで歩き方が変な時は休みの間中私が欲しいと言ったものを探し回って靴擦れを起こしたからでうたた寝してると起こさないように寝台に運んでくれていることも火傷しないようにお茶を冷ましてから出してくれることも、

お前が意地悪ばかり言う私を快く思っていないことも、
お前が私の早く私の傍を離れたいと思っていることも、
お前が嫌いだっていう私の言葉が私が私自身についた嘘だってことも、

全部、知ってるんだよ。