呼び方のお話

「苑士」
「しばくぞ」
「苑士ちゃん」
「歯ぁ食い縛れ」
「苑士さん」
「まぁ許す」
「……うーん、やっぱり『苑士兄さん』が一番しっくりくるかなァ。見た目とは合致しないんだけどさァ」
「後半は余計だが十年以上呼んでりゃそりゃそうだろうよ。つーか、なんだよいきなり?」
「んー…、なんていうのかなァ……実験みたいなもんかなァ」
「人を勝手に実験台にしてんじゃねぇよコラ」
「ねぇ」
「あん?」
「やっぱり呼び捨ては駄目かい?」
「傍目完璧に父親になるから却下」
「あ、そっち?」