≫徐庶と監禁ごっこする一週間


「なぁなぁ元直ー。俺さ、一週間休暇とれたんだけどさー、どっか出掛けるとかしねぇ?」
「え?……ええと、それは俺が決めていいのか?」
「おう。最近俺もお前もなにかと忙しくて二人の時間減ってたじゃん?だから別に出掛けなくてもいいから一緒に過ごしてぇなーって」
「……だったら、その、ずっとやってみたかったことが、ある、んだけど……」
「おー、いいよいいよ、言ってみ?」
「監禁ごっこ、…が、したい」
「…………」
「…………」
「…………」
「…………」
「……それって俺がお前んちに監禁されんの?それとも逆?」
「で、できれば俺が監禁する側で……あああ、か、監禁といってもあくまで“ごっこ”だし要は多少の制限がついたお泊まりだと思ってくれれば構わない!勿論出来る限り不自由はさせないし…って監禁云々を言ってる時点でこれはおかしいな、は、ははは……」
「ん、まぁいいよ」
「えっ」
「やろうぜ、監禁ごっこ。元直んちで」

こんな感じで始まる一週間の監禁生活。
因みに徐庶はそこそこ名の売れた文筆業で夢主とは小学校から付き合いのある幼馴染みであり恋人。夢主はリーマン。
監禁と言ったって風呂もトイレも普通に入れるし、ケータイとテレビは禁止されるけどゲームはさせて貰えるしで『部屋の外に出ない』というルールさえ遵守すれば部屋の中でなにしてもいいよという本当にただの御泊まりに。元々いちゃいちゃしたくて遊びを持ち掛けたので夢主としては万々歳。のんびりだらーっと長いようで短い休みを満喫。

…………するだけじゃつまらないわけですよ話的に。
ここで徐庶さんに隠れ属性:ヤンデレを発動してもらいます。といっても軽度なヤンデレですがね。

足枷やら風呂を一緒にやら布団を一緒にやら、徐々に増していく密着度。徐庶と小学校から付き合いのある夢主はそんな行動も全く気にしない。徐庶ノリノリだなー、なんか甘えん坊だなー、最近会えてなかったからかなー、仕方ないやつだなー(デレデレ)
可愛い恋人の些細な我儘くらい叶えてやらねば男が廃る、と言わんばかりに徐庶を甘やかしまくって甘やかしまくる。休暇の終わりの日には徐庶がもう二度と離れたくないやだやだ離れたくない離れたら死ぬ、と駄々をこねる。あんまりに悲痛な顔して訴えるもんだから仕方なく家から仕事道具やらスーツやら運び込んで、次の日は徐庶宅から出勤。
一週間ぶりに自宅に帰宅したらなんか徐庶がいる。おや?

「…なにしてんのお前。あ、俺なんか忘れ物した?」
「いや、そうじゃない、そうじゃないんだ!…その、一人の家が、寂しくて」
「あー…一週間ずっとべったりだったもんなぁ、そうなっても仕方ねーよな。じゃあ今日は俺んち泊まってくか?」
「!あ、ああ!…すまない、急に押し掛けた挙げ句、泊まりだなんて」
「いいよ、合鍵渡したの俺だし。一人の家に帰んのって寂しいしな。誰か居てくれると嬉しい」
「…………なぁ、」
「ん?」
「その、…これも、実はずっと前から考えていたことなんだが、」
「うん」
「ええと、その…………一緒に、暮らさないか?」
「…あーそっか、その手があったか」

最終的に同棲しーましょ、で夢主が徐庶の家に転がり込んで落ち着く。徐庶の家は親から受け継いだ平屋一戸建てなので部屋なんぞ有り余ってるわけです。
因みにこの夢主は会社にはカムアウト済みのため野郎と同居とか特に隠さない。流石にべらべら喋るわけでもないけどね。