≫ナタと強さについて考えるトリップ


舞台はオロチ2の世界。
様々な世界が混在した混沌とした世界に、平凡な現代人がうっかり紛れ込んでしまう。場所が無双武将達の駐屯地近くだったこともありすぐ保護されたので身の安全は一先ずは確保された。安心はできないけど。

夢主は結構ないい年の高校教師。
戦う力なんてないし荒れた地平で特別なことなんて何一つできない、ある意味生まれたての赤子のように弱い存在だけれど、現代の気難しい年頃の子供を長年相手にして来たお陰か、やたらと図太くて頑強な精神を持っている。
信長様にも物怖じしない、酒呑童子を前にしても動じない。角が生えてようと髪の色がおかしかろうと、炎を出したり雷を出したりしようと、のほほんと笑って受け止める。

「おぬしは人の子とは思えない程にしたたかでしなやかな心を持っておるな」とは伏儀さん。
「お前の魂は清らかで暖かい。そして穏やかなのにとても逞しいな」とは女カさん。
「我ら神仙に比べれば微々たるものではあるが……良き道を歩み、良き研鑽を積んできたのだな、人の子よ」とは太公望さん。

それがどうねじ曲がって誇張されたのか、夢主に興味を持ったナタ。

「ねぇ、君本当に強いの?」
「え、まさか。僕は此処にいらっしゃる方々の誰よりも弱いですよ?」
「だよね、見るからにすぐ壊れそう。でも太公望達が言ってたんだ。君は人の子には珍しいくらい強い人間だって」
「…うーん…?」

夢主の“強さ”が理解できないナタと太公望達が自分を「強い」と言った意味が理解できずに首を傾げる夢主。二人して首を傾げている端から見たら結構意味不明な絵面。
こんな経緯からなんとなく夢主の傍を観察がてら彷徨くようになったナタ。一部からはいつからか家鴨の親子と影で噂されるようになったりする。
時を越えた戦いに身を投じる人達を見つめながら、ナタと夢主が様々な「強さ」の形について考えていくお話。

夢主がオロチ世界に来た切っ掛けとか結末とか色々細かいことも考えてはいたんだけども、うまく纏まらないのでここまで。