≫返答に困る告白をしてくる徐庶


「俺は昔から……どうやら物心つく前から人の首というものに特別な執着というか感情というか、ともかくは何か他とは違う感覚を持っていたんだ。思春期になるとそれが特に顕著になって、……その、恥ずかしい話だけど、人の首筋を見たりすると、こう、催してしまうようになった。さ、最初は俺自身驚いたんだ!俺にこんなおかしな性癖があるだなんてって……けど、それが違ったんだ。“唇から頤への稜線が色っぽくて好き”だとか“襟足の毛が汗で項に張り付いていたりするとどきっとする”とかだったらまだ君も理解出来るだろう?そういう色気だとかの次元じゃなかったんだ。俺は、いつしかその首を――絞めたい、と、思うようになっていたんだ。はは……おかしいだろう?触りたい、だとか、噛みつきたい、ではないんだよ。絞めたいんだ。俺のこの手で気管を押し潰して、喘ぐ喉仏と脈動を掌で感じながら呼吸が消えていく様を眺めたいと思うんだ。ああいや、別に殺したい訳じゃない、それは断じて違うんだ。俺はあくまで首を絞めて、その感覚を感じることが目的なんだ。俺の手の内に生殺の狭間にいる相手を感じることが目的なんだ。……すまない、なんだか余計な話ばかり長々としてしまって……ええと、こんな話を聞かせて、俺が君に何を言いたいのかというと、つまり、俺は君が好きで、君の首を絞めたいんだ」
「丞相ぅぅううう!!!ホウ統老師ぃぃいいいいいい!!!助けて殺されるぅぅううううううう!!!」
「ち、違う!違うんだ!俺はあくまで君の首を絞めてみたいだけで、その、楽しすぎてうっかり絞め殺してしまう可能性は確かに否めないけれど!それでも!俺は君の首を絞めたいんだ!あわよくば褥で!まぐわいながら!!」
「いやああああああああなんか余計な一言聞こえたああああああ!!!犯される殺される犯されながら殺されるううううぅぁああああああああああ!!!」
「えっ……!あっ…確かに首を絞めながらするとよくなるという話は聞いたことが……!」
「うわぁぁぁぁああああああいらん墓穴掘ったああああああああああ!!!」
「あ、でも俺はどちらかというと君に抱かれたい……かな……」
「知るかぁああああああああ!俺はおっぱい大好きな健全な男子です!そっちの気は!断じて!ない!ましてやそんな特殊な性癖も持ち合わせていない!!!」
「大丈夫すぐに気持ちよくなるから、だから、諦めてくれ!」
「俺は生死も貞操も断じて諦めたくねぇよ馬鹿野郎!!!」