≫Mな諸葛誕とノーマルな恋人
![]() 同性同士の障害もなんとかかんとか乗り越えて付き合い出した、恋人としては蜜月真っ只中のお二人。 恋人になってから初めて諸葛誕の部屋にお呼ばれして、そろそろそういうことしてもいい頃だよな、とそういう雰囲気になった時、深刻な表情を浮かべた諸葛誕が「話がある」と唐突にあるものを夢主に向かって差し出します。 「…………え」 「…………」 「え?…え?ちょっと待って、ちょっと待って、え?待って、待って待って、おま、え?お前そういう嗜好の人だったの?」 「…………そうだ」 羞恥からか頬を赤く染めた諸葛誕が差し出した物、それは黒革ボンテージに赤いバラ鞭を持った濃い目のメイクの御姉様、もとい女王様が表紙を飾る、SMの専門誌でありました。しかもエロ本でよくあるようななんちゃってSMではなく、間違いなく本物の、えぐくてどぎついSM本です。 つまり、はい、夢主の愛しい恋人は被虐性愛者、所謂マゾヒズムという性的嗜好の持ち主だったのです。 「ま、待って!無理無理無理無理!そりゃ俺だって男ですから責める方が愉しいよ?!緊縛とか興味ないっていったら嘘になりますよ?!」 「本当か…!?」 「いやあああそんな輝かしい目で俺を見ないで!そんな可愛い顔を俺に向けないで!なんでもしてあげたくなっちゃう輝いた表情で俺のことを見ないでえええええ!!」 恋人の我儘は叶えてあげたいけど至ってノーマルな性癖の夢主は唐突な話に我を失って混乱状態。ぐちゃぐちゃの混沌状態な頭を無理矢理働かせて状況を整理し思考を巡らせます。 勇気を振り絞ってカムアウトしてくれた諸葛誕の希望を叶えてあげたい、けど愛しい恋人の身体を傷付けるような真似はしたくない。 悩みに悩んで悩みまくって、結局はまぁ、諸葛誕の方に天秤が傾いてしまうわけです。これぞ惚れた弱味。 「ただ、あの、やっぱり痛いのとか血を見るようなのはなるべく避ける方向でお願いします」 「ああ、わかっている。…お前が、私の嗜好を受け入れてくれたという事実だけでも私は十分に幸せだ」 「(きゅん)」 大体こんな感じで、マゾヒストなたんたんおとその恋人がお互い探り探りでSMしながら、夢主が徐々にサディズムに目覚めていったり二人の関係に悩んだりしてラブラブちゅっちゅしていくというお話。 |