プロローグ




「やっぱり変わらないなぁ」


二時間程前に羽田に到着。


向こうを出る時に連絡したら、空港まで迎えを寄越すと言われたけれど。

それを断って、少し買い物をしたり、あちこちに寄りながら、電車を乗り継いで辿り着いたこの街。


新宿駅の東口から歩いてすぐ。

新宿 神室町。


数年間の留学生活を終えての帰国。

長期休暇で何度か帰っては来たけれど、短い滞在ばかりだったので、この街に来る事は少なかった。



只今、午後六時半過ぎ。



先に家族に会いに行こうか。

道を歩けば馴染みにも沢山会うだろう。


それとも……


選択肢は沢山ある。


時間もある。

だって此処は眠らない街。


大きなスーツケースを引いて、人混みを避けながら、迷い無く歩いた。








プロローグ

2005年9月29日
帰ってきた彼女。



back

「#オリジナル」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -