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月的愛情(ダテサナ)

 隣に眠る幸村の顔はとても安らか。
 銀色の月の光が照らし出す顔は白い。
 死んだように、深い眠り。
 そうだ、いっそ本当に死んでいるのだったら、どんなにか嬉しいだろう。
 そう思って首に手をはわす。細い首。
 このまま手折ってしまいたい。
 そうすれば、お前が誰かと笑うことも、誰かと出掛けることも、誰かに身を委ねることだってないだろ?
 でもしない。
 お前の苦しむ顔が見たい訳じゃないんだ。
 ただ俺はお前が好きで好きで好きで堪らないだけ。

 

 殺したいと思う情動。
 それは多分、fullmoonの仕業。





×××
 西洋では月は狂気の象徴。
 幸村にルナティックな愛情を抱く伊達。
 殺したい(殺して君を独占したい)という純粋ゆえに狂気的な愛、を目指したのですが。
 構想の元になってるのは、谷川俊太郎の詩です。というか、そのまんま。
 



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