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学バサプロローグ没案(政+小十)

 春休み――それぞれの受験戦争を勝ち抜いた中学生たちはこれから始まる高校生活に夢をはせ、つかのまの休息を楽しんでいるころである。
 しかし、そうではないものもいた。

「おいこれのトーン貼れ!」
「はい、筆頭っ!」
「おまえは背景だ」
「了解っす筆頭!」
「Shit!これトーン番号まちがえてっぞ!?」
「す、すみません筆頭!」
部屋の中では4人の少年が一心不乱に机に向かっていた。一昔前の不良――マスクやらリーゼントやら特攻服やら――が3人。もう一人の少年は身なりこそ普通だが、その右目は眼帯で覆われている。
 彼の名は伊達政宗。漫画家である。
 現在締め切り一時間前。
 絶賛修羅場中なのであった。



「よし、that's all!」
「「おつかれさまっす」」
 締め切り5分前。ギリギリのところで彼の作品は完成した。
「突然呼んですまなかったな、助かったぜ」
「いえ、全然大丈夫です!」
「また呼んで下せえ!」
 そこで、ふすまがガラッと開いた。一人の男が部屋にはいってくる。片倉小十郎、政宗の担当兼世話役である。
「あ、小十郎様!」
「いつも御苦労様だな、お前達」
「いえ…俺達は筆頭のお役に立ててうれしいっす!」
 小十郎は微笑んだ。
「あ、じゃあ俺達そろそろ帰るっす」
「そうか、また今度も頼むぜ!」
「まかせて下さい筆頭!」
 三人はブンブンと手を振りながら帰っていった。





「お疲れさまです、政宗様。」
「ああ」
 小十郎は政宗の原稿を手早くまとめ始めた。
 ふと、小十郎が言った。
「まだ、連載は書かれないのですか」
「描きたいもんが見つからねえ」
 政宗はそう言うと、空を仰いだ。
 小十郎の視線は心配そうに少し揺らいだ後、伏せられる。
「高校に入ったら何か変わるかな」
「…だと良いですね」




×××
 政宗が漫画家という謎設定のギャグ。
 一時期学バサを連載しようと思って書いてたけど、没にしたもの。
 理由は途中からよくわからんシリアスに突入したことと、CPの問題。
 結構気に入ってるので、微調整して本当に連載するかもしれない。
 
 



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