文|log 好きになるのに理由はいらない(就親) 「なあ毛利」 元親が呼びかけると、元就は書簡から目を離さないまま「何だ」と返した。 元親は目線を彼の背中から外し、少しをふらふらさせた後、こう訊ねた。 「お前、なんで俺のこと好きになったんだ?」 「いきなり何だ。」 毛利が心底呆れたようにこう返せば、元親は少し狼狽えたように早口に続けた。 「だってよう、凄く仲悪かったし、正直性格もまったく気にくわねえ。好きになる理由がねえだろ?」 元就は息を吐いた。 「じゃあ貴様はなんで我を選んだ。」 逆にそう訊ねられて、元親は口ごもった。 「好きになるのに理由など必要ない。」 その言葉に驚いて元就を凝視すれば、彼の瞳ははっきりと元親を見つめていた。 すぐに、元親は破顔した。 「そうだな!」 ××× 私の恋愛観が如実に現れている…… 人は呼吸をするのと同じように恋するんじゃないかなと思ってます。するときはする。 だから、人を好きになるのに理由なんていらないと思っています。 |