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反則 (佐幸)

「旦那、旦那、ごめんって!」
 幸村はつんとそっぽを向いている。
 聞きたくない、という意思表示。
 拗ねているのだ。
「もう、機嫌直してよー」
 それでも背中を向け、佐助を拒絶する姿勢を崩さない。
 仕方ない。奥の手を使うか。
「幸村」
 優しく呼ばれ、ぴくっと幸村の肩が揺れる。
 もう一回駄目押しで、
「幸村」
と呼びかければ、真っ赤になった幸村が勢いよく振り向いた。
「反則だぞ、佐助!」
 許さざるを得なくなったではないか…。
 ぶすっとした幸村の顔を見て、佐助はからっと笑った。

(お前、絶対、確信犯だろう!)




×××
 普段本名で呼ばない恋人から本名を呼ばれたらドキッとするよね!っていう妄想。
 佐助と幸村は恋人同士前提で。
 



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