文|log 傘(親就) 今朝の天気予報では降水確立50%。 案の定、午後から土砂降り。朝は晴れていたから、うろたえる者が多かった。 まあ我はしっかり傘を持ってきていたから、問題はない。 大きな緑の傘を広げて昇降口を出ようとしたところで、後ろからあやつの声がした。 「やっべー折り畳み傘忘れちまった!」 貴様も忘れたのか。情けない。 でも我には関係ないか、と思ってそのまま行こうとすると、あやつは我に気づいたようだった。 「お、元就!」 無視して行こうとすると、肩を掴まれた。 振り向くと、満面の笑み。 「傘忘れちまったんだ、入れてくれよ」 いつもなら断るところだが。 「仕方ないな」 今日は雨だ。この日輪のごとき男がそばにいるのも悪くない。 乱暴に半分傘を明け渡すと、あやつは驚いた顔で固まっていた。 失礼な。 「どうした。来ぬならおいて行くぞ」 あやつはまた晴れやかに笑って傘に入った。 ××× 就ちゃんはきっちりしてるので折り畳み傘常備してそうだな、という妄想から。 |