文|log 逆鱗に触れる(丕趙) 怒りのままに突き出した拳は子桓殿の右頬に当たった。 彼の体は少しの間宙を舞った。そのあと地面に叩きつけられる。雨上がりの乾いていない泥が、彼の纏うマントと右肩を汚した。 「私は貴方の所有物ではない!!」 声を荒げる私を、子桓殿は感情の見えぬ瞳で見ていた。 次の瞬間私の体は壁に叩きつけられていた。圧迫された肺がごほっと空気を吐き出した。思わず顰めて細くなった視界の中、彼の暗い瞳は激情を溢れさせ、ギラギラと光っている。 私はどうしようもないほど彼を怒らせて仕舞ったのを悟った。 ××× いつも傍若無人な曹丕についにキレた趙雲。 しかし曹丕の逆鱗に触れてしまって…? …続きません。 |