文|log 情人節(馬超/馬趙前提) 情人節の日は忙しい。普段は絶対花屋になんて来ないような男たちのいろんな姿が見れるので、とても楽しいのだけれど。 そしてまた、誰かがやってきた。 にこりと笑いながら目をやって、私は感嘆の声をあげてしまった。 滅多に見ないような端正な顔立ち、黄金の髪。 「薔薇の花束が欲しい」 思わぬ美丈夫の到来に、心が浮き立つ。 「何本欲しいのかい?」 さて、この人の伝えたい言葉は? にやりと笑いながら尋ねれば、彼はすこし気恥ずかしそうに視線を逸らした。 「…3本、包んでくれ」 愛している。 「直球だね」 「…っ!」 「ははは、いいんだよ!」 分かりましたよ!と明るい声で返事する。 手早く花を包んで、リボンに手を伸ばす。 「リボンは何色にしますか?」 「緑で頼む」 それを聞いて、緑のリボンを使って仕上げをする。 少しの間をおいて出て来た真っ赤な花束に、男の顔も染まった。 「…愛している、か。」 羨ましいね、あんな格好良い人に薔薇の花を送ってもらえるなんて。 その相手を想像してみる。きっと綺麗な人なんだろう。 渡す時もあんな風な感じなのか、と真っ赤になって薔薇の花束を差し出す男の姿を想像したら、思わず笑ってしまった。 ××× 花屋のおばちゃん視点。 情人節は中国のバレンタインデーのこと。中国では贈る薔薇の数によって意味があるんだとか。 三本だと「愛している」。直球です。でも三本て花束としては小さい…。 照れながら薔薇を買う馬超が書きたかっただけです。 |