家庭教師ヒットマンREBORN!! | ナノ

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「ハルも第3日曜日は”ハル感謝デー”と言って、自分へのご褒美にケーキいっぱい買うんですよ!」

「わっ、一緒だね!」

「私は週に2、3回ケーキ買いに来てるかな。」

「はひっ!そんなに食べてるのに、どうしてそんなスタイル良いんですか!?」

「ふふ、優花って本当に食べるの大好きだよねー!」

「……。」



どうしよ、帰りたい…(※現在、美奈子の部屋)


女の子が三人も私の部屋にいて、ケーキを食べながら楽しく雑談している光景は、とても私にとって信じがたいものであった。だって前世でも、今世でも友達そんなにいなかったし(従姉妹の優花ちゃんは除く)。
友達とこういうことするの、ずっと憧れていたからとっても嬉しいけど……やっぱり恥ずかしくて、ちょっと居心地が悪い。私は三人の会話を聞きながら、モンブランを黙々と食べ続けた。

ちなみに、このモンブランは何も買わなかった私に気を使い、京子ちゃんが分けてくれたものだ。最初は申し訳ないからと断ったんだけど、彼女に「みんなで食べた方がおいしいから」と微笑まれれば断ることなんてできず、私は戸惑いつつも頂くことにした。…京子ちゃんは可愛いだけじゃなくて、とても優しい子だな。

ケーキはどれもおいしいけど、友達から貰ったこのモンブランは何だか特別においしく感じる。私がゆっくりそれを味わっていると、京子ちゃんがニコッと笑って言った。



「ミナちゃん、モンブランのお味はどう?」

「っ!……お、いしい…です。」

「そっか、良かった!」



私の言葉を聞いて、京子ちゃんが嬉しそうに微笑む。すると、その隣に座っていたハルちゃんが「ナミモリーヌのモンブランは最高においしいですもんね!」と言った。



「ミナちゃんはどのケーキが一番好きなんですか?」

「え、あ…。」

「ナミモリーヌにはよく行かれるんですか?」

「えっと……。」

「?」

「あー…この子、ちょっとシャイな子だからさ。」



顔を真っ赤にし、俯いてしまった私を見て、優花ちゃんは苦笑を浮かべた。すると、ハルちゃんは「はひっ、そうだったんですね!ハル、ぐいぐい行っちゃってすみません」と申し訳なさそうに謝ってくれた。別にハルちゃんは何も悪くないのに、私が口下手だから…。



「「「「……。」」」」



なんだか、さっきよりも居心地が悪くなった気がする。

私のせいで落ち込んでしまったハルちゃんに、何か言わなくちゃ、と口をパクパクして数秒。私は漸く決意を固め、口を開いた。



「な、ナミモリーヌには……あまり行かない…。」

「「!」」


「…けど、このモンブラン……すごくおいしかったから。また、食べたいな…って。」



途切れ途切れだけど、頑張って私の気持ちを伝えてみる。すると、ハルちゃんと京子ちゃんは、ぱああっと顔を明るくして嬉しそうに口を開いた。



「じゃあ、今度また一緒にケーキ買いに行きませんか!?」

「ナミモリーヌのケーキはどれもすごくおいしいから、きっとミナちゃんも気に入ると思うな♪」

「……う、うん。行きたい!」



私が首を縦に振ると、二人は大喜びで「いつにしようか?」とさっそく予定を立て始めた。



(と、友達と遊びに行く約束しちゃった…!)



嬉しくてにやけそうになる口元を必死で結ぶ。すると、ずっと見守っていた優花ちゃんが、私の頭を撫でながら「よかったじゃん」と言ったので、私は「うん!」と笑顔で返事した。

今日はいつもより幸せな日曜日だ!




「…ま、ちっとは女友達も必要だからな。」



部屋の外でずっと中の様子を伺っていたリボーンがニヤリと笑っていたことを、私は知らない。

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